メルセデスヒエラルキーが変わった?

 これは単に魅力的な“新ネタ=新技術”の投入を急いだだけでなく、メルセデスのブランド観の変貌も意味します。その昔、メルセデスの顔は大きくてゴージャスなSクラスセダンでした。簡単に言うとSクラスを小さくしたのが「Cクラス」でありこのAクラス。

 ところが新興国をはじめ、プレミアムカーが世界的に伸びる今、最初にAクラスを買ってメルセデスにハマる客が増えているのです。その傾向はスタイリッシュになった現行の3代目Aクラスから特に顕著で「買う客の6割が新規ユーザー、買った客の7割が次もメルセデスに買い替える」というからすごい。2016年からプレミアムセグメントでBMWを抑えて世界販売トップになったメルセデスの躍進は、実はAクラスが支えているのです。

運転席前からセンターにかけて、標準で7インチ、オプションだと10.25インチのワイドディスプレイが2つ並ぶ
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 その昔、ある中華の達人は言いました。「店をはやらせたいなら、ランチで出す餃子と炒飯に力を入れろ」と。「それがうまかったら絶対夜も絶対食べにくる」と。だからこそ入門用メルセデスたる新型Aクラスには、走りはもちろんインターフェイスにも先進安全にも、惜しげもなく最先端テクノロジーが投入されています。まさに、Aクラスはポジショニングを変えつつあるのです。

 思い返せば初代&2代目Aクラスは、名門メルセデスの名に恥じぬ初のFFコンパクトとして、斬新な床下サンドイッチ構造を導入。結果、ずんぐりむっくりボディーで多少迷走した感もありましたが、現行3代目でモダンスタイリッシュ化に成功。今回はさらに“裏4番バッター化”を狙っている感じというか。

 唯一の心配はおそらく日本導入時にハネ上がりそうな車両価格ですが、それはおいおい悩むとして、Aクラスの全面先端リアルメルセデス化を今だ信じられない人のために、小沢コージが迫真のインプレッションをお届けしましょう!

“入門用”だったはずのAクラスなのに、新型は走りはもちろんインターフェイスにも先進安全にも最先端テクノロジーが投入されてる
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