スマートフォンは中国全土に普及したが……

 筆者が当連載で紹介してきた中国のトレンドは、内陸の省都クラスの都市まで波及したトレンドだ。首都・北京や商都・上海の人口はそれぞれ2000万人超とはいえ、それらの都市で流行したくらいでは、約14億人が暮らす中国全土での流行とは言い難い。しかし、人口1000万前後の各省都にまで及んでいるとなれば、人口にして1億人は優に超える。そこまで広まればもう「トレンド」と呼んでいいだろうと判断してきたわけだ。では、これまで取り上げてこなかった各省の2番手、3番手の都市や農村部と比べると、トレンド面でどれほどの差があるのか。今回は、中国におけるトレンドの格差を考えてみた。

 中国のトレンドを語るにあたって、欠かせないのがスマートフォンだ。スマートフォンはもはや農村部でも珍しくないが、スマートフォン関連のサービスとなると都市部と農村部で大きな格差がある。中でも目立つのは、シェアサイクルと電子決済だ。

 シェアサイクルサービスの大手としては「Mobike」や「ofo」「bluegogo」「永安行」などが挙げられる。省都クラスの都市にはシェアサイクルの車両が大量に投入されており、サービスの認知度は老若男女問わず高い。とはいえ、最も多くの都市でサービスを展開しているというofoでも100都市を超える程度で、中国全体から見ればごく一部にすぎない。

 また「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」といった電子決済は、大都市ならショップやレストランから個人商店までほとんどの店舗が対応している。北京や上海の商業地に限れば、キャッシュレスで生活できると言っても過言ではない。一方、地方の中小都市となると電子決済を導入している店舗はほとんどなく、電子決済のトレンドが来るのはこれからという状況だ。

 とはいえ、中国全般で販売される商品の多くには2次元バーコードが付いていて、リンク先の専用サイトで商品説明を確認したり、キャンペーンに応募したりすることはできる。中小都市では大都市ほど活用されていないものの、ファストフード店などでは利用されているようだ。

シェアサイクルは、都市部で見掛けない日はないほど普及している
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注文から支払いまでがスマホでできるファストフード店も
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