輸入品ショップ「天猫国際」は品数が少ない

 中国では「新零售(シンリンショウ)」、日本語では「新小売」ないしは「ニューリテール」と呼ばれる新業態が話題となっている。アリババ(阿里巴巴)やテンセント(騰訊)などのIT企業が、実店舗とEC(電子商取引)を融合させた新しいビジネスを展開しようと模索しているのだ。

 そこで、特に力を入れているアリババの新零售を実際に体験してみようと、同社が拠点を構える浙江省杭州に向かった。

 まずは輸入品ショップの「天猫国際(ティエンマオグオジ)」。これは輸入品を販売する人気越境ECサイト「天猫国際」と同じ店名なので、どんな店なのか中国の消費者にはすぐに分かる。

 店の広さは日本の大きめのコンビニ程度で、壁一面に展開されている商品棚の上部にはディスプレーがあり、輸入元の各国のイメージ画像や、購入方法が代わる代わる表示される。ディスプレーがたくさん設置されているだけで近未来感の印象を受けた。

 置かれているものを見ると、日本製の紙おむつやシャンプー、歯磨き粉などの日用品から子供のおもちゃ、菓子類、ワインなどの酒類までより取り見取り。価格はネットと同じなので割高感はない。商品に貼ってある2次元コードを「手机淘宝(ショージタオバオ)」や「支付宝(ジーフーバオ)」などのアプリ、または店の各所に用意された専用端末でスキャンすると、商品の生産地などの情報が中国語で表示される仕組みも便利。アプリをダウンロードできるよう無料の無線LANも用意されていて万全だ。

 商品はその場で買えるが、同じ商品をアプリで購入することも可能で、欲しい商品のバーコードをアプリで読み取ってアプリ上の「カート」で決済すると、一部を除く市内全域に配達してくれる。しかも、午後2時前の購入なら、その日のうちに商品が届くという。

 天猫国際は、輸入品を「実際に見て、触って、買える店」ではあるが、さまざまな商品を限られたスペースに並べなければならない関係で品数は少ない。品数については、店舗のすぐ近くにあるスーパーの輸入品売場のほうが充実していたくらいだ。店舗が広大でウェブサイト並みに品数が充実していれば完璧だが、それは今後の課題だろう。

人気のショッピングモールで人々の導線となっている天猫国際の実店舗
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ディスプレーが並んでいると、人がいなくてもにぎやかな印象を受ける
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店内のあちこちに設置されたタッチパネルで商品の説明を見ることができる
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