海外旅行先、日本は地方が人気に

 中国最大のイベント、春節の6連休に関連するいくつかの統計が、2月末~3月初めにかけて発表された。興味深いのは、全産業のIT化が急ピッチで進む中国だけに、各種ネットサービスの大手がビッグデータを利用した調査レポートを開示していることだ。政府やメディアの発表しかなかった従来と比べると、「統計+ネットサービス」のビッグデータによって、より現実味あるレポートが読めるようになったと言える。

 国家旅游局信息中心(政府観光データセンター)と旅行予約サイト大手の「携程旅游(シートリップ)」が共同で、中国人の海外旅行に関する「2018春節中国出境旅游大数据報告」を発表した。

 このリポートによると、今年の春節期間中の海外旅行者数は過去最多の650万人に。2017年の615万人から35万人増加した計算だ。渡航先を見ると、日本(13%)は2位で、タイ(23%)が最も人気が高く、3位以降はシンガポール(10%)、ベトナム(7%)、マレーシア(5%)と続く。東南アジア諸国の人気が高いのは「寒い時期だからこそ暖かいところへ行きたい」というニーズがあるからだろう。ちなみに平昌五輪が開催された韓国は2%と低い。中国人の感覚では、日韓両国はひとくくりにされがちだが、こと旅行先に関しては日本が大きく水をあける結果となった。

 一方、中国人観光客が訪れる日本の都市も変わりつつある。従来は中国人の日本旅行といえば東京、大阪、京都、沖縄、箱根が定番だったが、前年比8.3倍増の長崎や同8.0倍増の小松を筆頭に、地方都市を訪れる中国人観光客が増えているのだ。しかも日本旅行の目的としては「(菓子作りなどの)手作り体験を通して日本の美学を学びたい」「剣道を体験して武士道を学びたい」といった体験型が近年は目立つようになってきた。データ解析によって、地方の小さな都市・地域で地元の文化や風習を体験したいという中国人観光客の志向が浮き彫りにされたと言えるだろう。

中国人旅行者の海外の行先国別シェア。避寒で東南アジアの注目が集まり、特に観光資源が豊富なタイが人気に
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日本の都市・地域別の中国人観光客数の伸び率。3位以下は白川郷、箱根、神戸、登別、岡山、小樽、青森、北九州……となっている
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中国人観光客の旅行先として人気が上昇した長崎では春節に合わせて「長崎ランタンフェスティバル」が開催された
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