2020年に向けて着々と進む東京大改造プロジェクト。そのポイントとして注目されているのが渋谷だ。大改造の最大の目的は、駅周辺の建物によって渋谷と周辺の街をつなぎ、“広域渋谷圏”を作ること。(関連記事「【東京大変貌】渋谷は“大渋谷”になる 」)。その狙いを象徴するかのような新施設「渋谷キャスト」が、2017年4月28日(しぶやの日)にオープンした。

 同施設は、東京都都市整備局による「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)」の第1弾事業。「クリエーターが住み、働き、発信する機能を有した複合施設」だという。場所は明治通りを挟んだ宮下公園の向かいで、“裏渋谷”ブームの発信地であるキャットストリートの入口。渋谷と原宿、青山、表参道という、トレンドスポットが交わる地点だ。

 地下2階、地上16階建てで、グランドフロア(以下、GF)には交流のプラットフォームとして、緑とアートに囲まれた広場を配置。GF、1階には落ち着いた空間を提供するレストランや、キャットストリートの空気感をつなぐセレクトショップ、東急ストアが展開するミニスーパーなど、日々のライフスタイルを彩る店舗が入居。1~2階はフリーランスや企業人のクリエーターが集まり、交流・連携しながら働けるシェアオフィスがあり、隣接するようにカフェも設置されている。2階~12階は約400坪の大規模賃貸オフィス、13~16階は80戸の賃貸住宅だ。

  2017年4月26日に行われたメディア内覧会で、事業主体会社・渋谷宮下町リアルティの西澤信二統括部長は「当施設は創造活動を刺激する空間を作るのが最大の目的。住む人や通う人、訪れる人=キャストが集うことで、新しいアイデアが生まれる舞台にしたい」と抱負を語った。一方、東京急行電鉄の都市創造本部 開発事業部渋谷開発二部の工藤力課長は同施設が都営宮下町アパートの跡地であることに触れ、「緑があふれ、人々のふれあいの場だった土地の記憶を念頭に作った。最大の特色は、建物前面の広場。渋谷キャストに集まるクリエーターと街との接点にしたい」と、クリエーターと地域住民との融和を強調した。

  立地特性を生かし、クリエーターの活動をバックアップすることで渋谷のイメージアップにつなげたい狙いは分かった。だが、はたしてどれだけ楽しめる施設なのか。内覧会でチェックした。

「渋谷キャスト」(東京都渋谷区渋谷1-23-21)。JR・京王線・東京メトロ・東急線渋谷駅より徒歩1分。敷地面積は約5000平米、延床面積は約3万5000平米、地上16階、地下2階。施設のデザインコンセプトは「不揃いの調和」。形状・機能・素材といった空間の多様な要素が、それぞれの個性を表しながらも共鳴し合い、まとまりのある全体像を織りなすのが狙いだという
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グランドフロア(GF)はすべての人がクリエーティブに触れられる交流のプラットフォームとして、緑に囲まれた広場を配置
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スパニッシュイタリアン「THE RIGOLETTO (ザ・リゴレット)」(GF・1階)。営業時間は月~土が11時半~26時。日・祝が11時半~23時。席数265(テラス34席、店内231席)。2006年に、吉祥寺から始まったブランド。スパニッシュイタリアンという新ジャンルを作り上げ、1店ずつ、その街に合ったスタイルで展開してきた同ブランドの集大成となる店舗だという
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オフィスフロアに本社が入居するベイクルーズの新業態セレクトショップ「PULP 417 EDIFICE」(GF、1階)。営業時間は11~20時。メンズウエアだけでなく、オーバーサイズな着こなしができるユニセックスなアイテムやレディースウエア、フットウエアに特化したレーベル「FIC」の展開も
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「PULP 417 EDIFICE」に併設されたデリカフェ「PULP」(GF)。営業時間は平日が8~20時、土日祝日が10~20時。席数54(店内26席、店外28席)。 「マイスタイルデリ」をテーマに、野菜たっぷりでヘルシーなデリと、焼きたてのワッフルコーンアイスなどが楽しめるデリカフェ
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カフェ「Are(オーレ)」(1階)。「オーレ」とは、スウェーデンにある北欧最大のスキーリゾート地。スキーヤーが雪山にスラロームを描くように、クリエーターが集いカフェの軌跡をつくることをイメージしている。北欧テイストの店内には、Wi-Fiや電源コンセント設備も充実していて、ビジネス使いにも便利。看板メニューは店内で焼くふわふわ食感の「アルルのキッシュ」
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2階のシェアオフィス「co-lab」
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