ナムコは2017年4月21日、屋内アスレチック施設「スペースアスレチック トンデミ」を、イオンモール幕張新都心にオープンした。

オンモール幕張新都心にオープンした屋内アスレチック施設「スペースアスレチック トンデミ」
オンモール幕張新都心にオープンした屋内アスレチック施設「スペースアスレチック トンデミ」

 テーマは「新奇性のある遊びを集めた“体汗”エンターテインメントセンター」で、国内ではまだ少ないトランポリンやクライミングウォールを使った遊びを、専門スタッフのサポートを受けながら親子やグループで楽しめるのが特徴だ。はたして本当に“いい汗”がかけるのか、体験してきた。

国内最大級のトランポリン施設

 トンデミの特徴は、まず国内最大級というトランポリン施設だ。トランポリンエリアは約200坪の広さがあり、自由に飛べるコーナーだけでなく、トランポリンを使ってダンクシュートやドッジボールができるコーナーなどさまざまな遊びを体験できる。

トランポリンがずらりと並んだフリートランポリンエリア
トランポリンがずらりと並んだフリートランポリンエリア
トランポリンでジャンプしながらドッジボールができるエリア
トランポリンでジャンプしながらドッジボールができるエリア
トランポリンでジャンプしてダンクシュート体験ができる
トランポリンでジャンプしてダンクシュート体験ができる

 トランポリンは飛び方によっては重大な事故につながることがあるため、宙返りや、背中・おなかから落ちる飛び方などは禁止されている。トランポリンも含めて、各エリアには専門家の指導を受けたスタッフがおり、安全な遊び方を指導してくれる。

トランポリンの激しさに撃沈

 トランポリンを使った遊びのなかでも面白いのが、トランポリンと体を使って操作する宇宙レースゲーム「スペースホッパーズ」だ。

 目の前の大型スクリーンに表示される宇宙空間を進んでいくゲームで、トランポリンの中央で高く飛ぶほど速く進める。トランポリンの下にあるセンサーで飛ぶ位置などを測定し、ジャンプ位置の正確さやジャンプの高さによって進むスピードが変わる。アーケードゲームを手がけてきたナムコらしいアトラクションだ。

ジャンプの正確さや高さで競う宇宙レースゲーム「スペースホッパーズ」。ゴールするまでのタイムを競うが、かなり激しい運動になる
ジャンプの正確さや高さで競う宇宙レースゲーム「スペースホッパーズ」。ゴールするまでのタイムを競うが、かなり激しい運動になる

 面白そうなので、筆者も早速チャレンジしてみた。まずトランポリンの中央で安定して飛び続けることが難しい。そして着地の衝撃を体全体で吸収し、その反動を使って高くジャンプするのはもっと難しかった。宇宙を飛ぶような浮遊感が魅力らしいのだが、それを味わう余裕は全くなく、完走するだけで精いっぱい。わずか数分間プレイしただけなのに、ゴールしたときは汗だくで膝も足首も腰もガクガク。とても楽しかったが、かなり激しい運動だ。

落ちても安全なクライミングウォール

 クライミングウォールは、突起を利用して壁を登るというもの。日本でも施設が増えているが、トンデミではクライミングウォール設備で有名なブルガリアのWALLTOPIA社製「FUNWALLS」を導入し、11種類、13コースを用意する。

 どれもユニークなデザインで、コンクリートの壁に突起がついているだけのような殺風景なクライミングウォールとはイメージがかなり違う。それぞれ難易度が異なり、ランプが光るコースをたどったり、登りながら駒を運んで穴に入れるといったゲーム性を加えてあるのが特徴だ。

壁登りができるクライミングウォールエリア
壁登りができるクライミングウォールエリア
豆の木を登る。葉っぱや豆もつかめる
豆の木を登る。葉っぱや豆もつかめる
ビルを模したポールの上を歩いて登り、最後は一番高いところから飛び降りる。筆者も体験したが、高さがある上に足場が狭く不安定なのでかなり怖い。飛び降りる瞬間は快感
ビルを模したポールの上を歩いて登り、最後は一番高いところから飛び降りる。筆者も体験したが、高さがある上に足場が狭く不安定なのでかなり怖い。飛び降りる瞬間は快感
そのほかにもユニークなデザインのクライミングウォールが並んでいる
そのほかにもユニークなデザインのクライミングウォールが並んでいる

 これもまた面白そうだったので、早速チャレンジしてみた。遊ぶときは専用のヘルメット、ハーネス、シューズを身に着け、落下防止のロープをつないで登る。ロープには急な落下を防ぐ減速装置がついているので、手足が滑って落下しても安全に下りられる。スタッフが付いており、用具の装着や登り方などを指導してくれる。

 豆の木など4種類のウォールに登ってみたが、6メートルほどの高さに登るだけでもかなりの体力が必要。安全だと分かっていても手が滑って落ちないかという恐怖感があってかなりスリリングだ。そして頂上から下りるときが面白い。ロープを握って壁を軽く蹴るようにして降りるのだが、速くも遅くもないスピードでスーッと落ちていく感覚が新鮮で楽しかった。

ロープウォークはバランス感覚

 ロープウォークエリアは、高さ約3メートルのところに設置されたロープを使った全長42メートルのコースをひと回りするもの。ハーネスを装着して2本のロープで安全を確保した上で進む。コース上にはネットにつかまって横ばいで移動したり、足場の悪いタイヤの上を歩いたりといった7種類のアトラクションが用意されている。バランス感覚が重要だ。トランポリンで足腰が弱った筆者は挑戦を断念した。

ロープを使った7種類のアトラクションを乗り越えて進む、ロープウォークエリア
ロープを使った7種類のアトラクションを乗り越えて進む、ロープウォークエリア

アミューズメントエリアやキッズエリアも充実

 これまで紹介したトランポリンやクライミングウォール、ロープウォークは身長110~190cm、体重20~120kgの人という制限がある。そこで、キッズエリアも用意。小さい子供向けのトランポリンやクライミングウォールがあり、メーンのアトラクションと同じような体験ができる。このほか、アーケードゲームのエリアもある。

キッズエリアの巨大なジャングルジムのようなアトラクション
キッズエリアの巨大なジャングルジムのようなアトラクション
小さい子供向けのトランポリンもある
小さい子供向けのトランポリンもある
アーケードゲームのエリアはスポーツゲームやクレーンゲームが中心
アーケードゲームのエリアはスポーツゲームやクレーンゲームが中心

90分2400円の理由は?

 施設は1回90分の時間制で、スポーツエンタメエリアを自由に楽しめるフリーパスは1人2400円。初回登録料500円が必要で、支払うとトンデミのロゴが入った靴下がもらえる。子供が遊ぶのを見ているだけの保護者の入場料は500円。キッズエリアのみ利用する場合の入場料は800円となっている(全て税込み)。

入場時には利用規約への同意と会員登録が必要だ。緊急時のための連絡先などをタブレットを使って記入する。登録すると赤か青の靴下がもらえる
入場時には利用規約への同意と会員登録が必要だ。緊急時のための連絡先などをタブレットを使って記入する。登録すると赤か青の靴下がもらえる
着替えられるように更衣室やロッカーが用意されている
着替えられるように更衣室やロッカーが用意されている

 気になったのは、90分という時間制限と、大人も子供も一律2400円という料金だ。ナムコによると、時間を限定しているのはトランポリンを長時間遊ぶと疲労で思わぬケガをする恐れがあるためで、一般的なトランポリン施設は60分入れ替え制が多いという。これに着替えや準備にかかる時間も考慮して、90分にしたそうだ。

 また料金についても一般的なトランポリン施設は1800円前後(60分)が多く、トンデミはトランポリン以外にクライミングウォールやロープウォークも遊ぶことができるので、2400円に設定したとのこと。大人も子供も同一料金なのはトランポリンやクライミングウォールといった体験に大人も子供も違いはないからだという。

 たしかに筆者はトランポリンとクライミングウォールを合わせて20分ほど体験したが、日ごろの運動不足もあってかそれだけで体全体にかなりの疲労を感じた。体力に自信のある大人や元気な子供でも、90分遊べば相当満足できそうだ。なお、オープンしてからしばらくは3人利用で合計5400円になるなどの割引を行っているので活用したい。

小学生から大人まで楽しめる屋内スポーツアクティビティー

 ナムコといえば、ゲームセンターに設置されているアーケードゲームを手がけているイメージだが、未就学児向けに「あそびパーク」などの屋内運動施設も展開している。あそびパークは体を動かして遊べるのが好評で、施設数を増やしているという。「休日に一緒に遊ぶならゲーム機よりも体を動かして遊べるほうがいいのではないか、子供の体の成長にも良い影響があるのではという意見を多くいただいた」(ナムコAM営業本部AM事業企画部第2チーム アシスタントマネージャー 池田知司氏)。そこで、あそびパークを卒業した小学生以上の子供とその家族向けに作ったのがトンデミというわけだ。

 トランポリンやクライミングウォールを取り入れたのは、欧米やアジアでこうした設備が人気を集めているのを知ったスタッフの発案だという。「海外ではこうした屋内でのスポーツアクティビティーが盛んになっているが、日本ではまだ少ない。ショッピングモールの屋内施設として作ることで、買い物に来た親子に楽しく体を動かしてもらえればと考えている。大人でも十分楽しめるので、友人同士などで楽しんでほしい。ボーリング大会のような感覚で、企業イベントにも活用できるのではないか」(池田氏)。

 今後は、うまくできるとポイントがついて級が上がるといった達成感を得られる仕組みを取り入れ、リピーターを獲得できるようにしたいという。人気次第では設備を増やしたり、他の場所への展開も考えられるだろう。トランポリンやクライミングウォールに興味のある人は、一度チャレンジしてはいかがだろうか。

(文/湯浅英夫)

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