2016年4月4日、新宿駅西口に散らばっていたバスターミナルが新宿駅新南口1カ所に集約。日本最大級のバスターミナル「バスタ新宿」としてオープンし、新宿の新交通基盤が誕生する。これに伴い、ルミネが3月25日にオープンさせるのが、新商業施設「ニュウマン」(NEWoMan)。場所はJR新宿駅新南口ビルと新宿駅の新ランドマークとなる「新宿ミライナタワー」内にまたがっている。
約100店舗ものショップが出店するという同施設は、2期に分けて開業する。3月25日開業の第一期では、新宿ミライナタワー1階から4階までのファッションなどのフロア、7階のクリニックや薬局がオープン。新宿駅新南口ビル側では5階のイベントホール、6階のレストラン、7階の屋外広場、屋上菜園などがオープンする。4月15日開業の第二期では新宿駅新南口2階フロア(エキナカ/エキソト)に、話題の飲食店やフードショップがオープン予定だ。
ルミネといえば駅ビルもしくは駅近くにあり、駅を利用する働く女性をターゲットとしたショップ構成が特徴。だがニュウマンはこれまでのルミネとは大きく異なるという。いったいどう違うのか。オープン直前の内覧会に参加し、確かめた。
メンズとレディス、衣食住、ショップと通路が全て融合!?
これまでの商業施設では下層階がファッションやライフスタイル雑貨、高層階が飲食と、フロアで用途が分かれていた。だがニュウマンを一巡して気がついたのは、それらがゆるやかに融合した作りになっていること。
特に分かりやすいのが、1階フロア。ジョエル・ロブションのベーカリーとカフェ、「ブルーボトルコーヒー」などの人気飲食店があるかと思えば、食品・雑貨の「アコメヤ」、海外のナチュラル系コスメショップ、ファッションブランドもある。施設内をくまなく回遊しなくても、この1階だけで満足できそうな構成なのだ。
また、同じファッションフロアでメンズとレディスのブランドが混在しているのも新鮮。「ブリーフィング」「ファーロ」などの人気メンズブランドが初のレディスライン実店舗をオープンしたり、メンズとレディスのブランドをひとつした新ブランド「イエナ エディフィス ラ ブークル」が出店していたりと、メンズとレディスの境界もゆるやかになっている。つまり、男女がともにショッピングを楽しめるようになっているのだ。いったいなぜ、このような構成になっているのか。
新宿駅前とは思えないゆとりと開放感も魅力
「最近のショッピングの傾向として、生活を豊かにする何か新しいものを探しに来る傾向が強い。そこでそうした人たちが探しやすいよう、ひとつのフロアに同テーマの多種類の商品をまとめた構成にした」(ニュウマン新宿店 営業部 販売促進グループ フロアマスターの中野紗弥子氏)。
中野氏によると、新宿には複数のルミネがあり、最もターゲットが若いのが「ルミネエスト」で20代中心。その上がルミネ1、2で、ニュウマンのターゲットはさらにその上の世代だという。「ルミネ1、2の卒業生ともいうべき年代で、買い物の経験が豊富であり、他人とは違うものを欲している女性」(中野氏)だそうだ。施設内全体にゆったり落ち着いた雰囲気を感じるのは、そうしたターゲット設定のせいもあるのだろう。
施設内にゆとりを感じるのは、売り場以外の共有部分が広くとられていることも大きい。一般に新宿駅南口~東口エリアは、狭い場所に多くの店舗がひしめいているイメージがあるが、ニュウマンは新宿駅前のビルの中とは思えない、開放感のある空間なのだ。これは駅と施設全体をひとつの街として一体感を持たせることを重視し、ショップと共用部分の境界線をあえてあいまいにしているからだという。
ちなみに新施設の注目といえば飲食だが、同施設に出店する飲食業態のほとんどが第二期に集中していて、第一期の開業では10店舗に満たない。ルミネとして監修・運営するのは初のチャレンジという第二期のエキナカエリアは4月15日にオープンする予定だ。
(文/桑原恵美子)