2018年3月29日、三井不動産が手がける新たな複合施設「東京ミッドタウン日比谷(以下、ミッドタウン日比谷)」がグランドオープンする。地下1階から地上7階までの商業エリアには60店舗のテナントが出店。そのうちの6店舗が日本初出店、15店舗が商業施設初出店、22店舗が新業態となる(関連記事「ミッドタウン日比谷 立ち飲み充実、有隣堂の新業態も 「ミッドタウン日比谷が竣工 6階「目玉施設」に注目)テナントの半分以上を占める飲食店や食のショップのなかから、注目店を紹介する。
アクセスが良く使い勝手がいい、地下のフードコート
ミッドタウン日比谷の特色は、地下鉄3路線と直結している点だ。アクセス抜群の地下1階にあるフードアーケードは、博多に本店を構える老舗和菓子店「鈴懸」や、赤坂から移転オープンした洋菓子店「パティスリー&カフェ デリーモ」、など、話題性の高い店や人気店が集中。乗り換えのついでに手早く手土産を買いたいときなどに便利だろう。
地下アーケードから短いエスカレーターで昇った先にあるのが、飲食店8店舗が集まったフードコート「HIBIYA FOOD HALL(ヒビヤ フード ホール)」だ。ミートボール専門店、スパニッシュバル、オイスターバー、ベトナム料理など特色のある専門店がそろう。席数は多いが通路も広くとってあり、地下とは思えないほどの開放感。価格も手ごろで予約がいらないので、家族連れでも使いやすいだろう。
2、3階は「仕事帰りの一杯」向きの店が集結
3階には仕事帰りにふらりと立ち寄れそうな店が多い。2015年の開業と同時に2年連続でミシュランガイドのビブグルマンに掲載された立ち呑み割烹「三ぶん」は、東銀座からの移転オープンで、価格帯やメニューは東銀座時代と変わっていない。初めての人には、同店名物の肴を盛り合わせた「酒呑み八寸」(税込み1300円)がおすすめだ。隣には椅子席の酒亭「三分亭」を併設しているので、座って飲みたい人はこちらを利用するといいだろう。
また、クリエイティブディレクター南貴之氏と老舗書店「有隣堂」のコラボによる複合型店舗「HIBIYA CENTRAL MARKET(ヒビヤ セントラル マーケット)」の中心にある「一角(いっかく)」は、まるで屋台のような雰囲気。席数が多いのでグループでの利用にも向いている。エリア内にはソムリエによるナチュラルワインスタンドや、クラフトジンのスタンドもあり、立ち飲みも可能だ。
2階の立ち飲み天ぷら店「喜久や TOKYO」では天ぷらをつまみに飲めるほか、だしを入れたチーズに天ぷらをつけて食べる「天ぷらフォンデュ」も提供している。その隣にある「串揚げ 新宿立吉(たつきち)」では揚げたての串揚げと酒が楽しめる。
いざというときの高級店は3階に
気軽な店がある一方で、3階には高級店を集めた「プレミアムレストランゾーン」も。
世界的デザイナー・高田賢三氏のプライベートシェフだった中山豊光氏が手がける「RESTAURANT TOYO(レストラン トヨ)」が日本初出店するほか、400年以上も続く京料理の老舗でミシュランガイド京都・大阪版で三ツ星を獲得している「南禅寺 瓢亭」の新業態が入る。日比谷店は京都の本店とは違い、カウンター席を設けて若い層も入りやすい店舗に。また、本店・本館では昼食が2万3000円(税・サービス料込み)からだが、日比谷店では7000円(税・サービス料別)から利用できる。ほかにも。銀座のオーセンティックバーの草分け的存在「STAR BAR(スタア・バー)」など、注目店ぞろいだ。
ミッドタウン日比谷は、大幅リニューアルを終えたばかりの日比谷シャンテとも地下通路でつながっている(関連記事「日比谷シャンテがオトコ仕様に 高級リンガーハットも」)今回の開業で、これまでの「娯楽は日比谷、食事は銀座」という人の流れが変わるかもしれない。
(文/桑原恵美子)