2017年4月1日、名古屋に「レゴランド・ジャパン」がオープンする。屋内型のレゴランドはお台場、大阪にもあるが、屋外型は日本初だ。

 レゴ社はデンマークに拠点を置く玩具メーカーで、近年はアニメや映画などの制作やキャラクタービジネスにも積極的に乗り出している。1968年にデンマーク国内でレゴランドをオープンしたあと、1990年代後半から英国、米国、ドイツ、マレーシア、UAEにも進出。日本へは8カ国目の展開となる。

 テーマパークファンからの注目度も高く、開園後しばらくは大混雑が予想されるレゴランド・ジャパンの中身をいち早くレポートする。

ジオラマが圧巻。待ち時間にはレゴで遊べる

 レゴランド・ジャパンの敷地面積は9.3ヘクタールで、東京ドームの約2.8倍の広さ。その中に40種類以上のアトラクションやショップ、レストランを収容する。レゴブロックを使って作られた園内の造形は、カラフルで独特の立体感がある。

「レゴランド・ジャパン」。名古屋駅からあおなみ線に乗り、金城ふ頭駅で降りてすぐの場所にある
「レゴランド・ジャパン」。名古屋駅からあおなみ線に乗り、金城ふ頭駅で降りてすぐの場所にある

 中に入ってまず目を奪われたのが、レゴブロック1000万個以上を使って日本国内の約500もの建物をジオラマで再現しているミニランドエリアだ。東京スカイツリーをはじめ、全国各地のランドマークや歴史的建造物が建ち並ぶが、やはりレゴランド・ジャパンのある名古屋の街並みの再現に力を入れている印象だ。22万個以上のレゴブロックで作られた名古屋城やナゴヤドーム、市庁舎や名古屋市科学館まで、地元の人にはなじみの深い建物ばかりだ。近付くとナゴヤドームの観客席にファンがいるのが見えたり、ボタンを押すとロープウエイが動いたりするなどの仕掛けもあるので、大人でも見入ってしまう。

ミニランドのジオラマはのべ50万時間をかけて制作されたという
ミニランドのジオラマはのべ50万時間をかけて制作されたという
名古屋城の高さは約2m。22万5000個のレゴが使われている
名古屋城の高さは約2m。22万5000個のレゴが使われている

 アトラクションの目玉のひとつが「サブマリン・アドベンチャー」。潜水艦に乗ってレゴモデルの古代遺跡、熱帯魚やサメなど生きた魚たちが泳ぐ水中を探検するというものだ。

アドベンチャーエリアにある「サブマリン・アドベンチャー」。レゴの古代遺跡が眠る海の中、80種・2000匹の魚たちが泳いでいる
アドベンチャーエリアにある「サブマリン・アドベンチャー」。レゴの古代遺跡が眠る海の中、80種・2000匹の魚たちが泳いでいる

 そのほかのライド系アトラクションとして、海賊船に乗り、水が出る大砲で海賊を狙い撃つ「スプラッシュ・バトル」、レーザー銃で的を撃ち、得点を競い合う「ロスト・キングダム・アドベンチャー」、消防車を運転してホースで消火活動を行う「レスキュー・アカデミー」などがあるが、考えながら遊ぶ知育系のアトラクションが多いのが特徴のようだ。

レゴ・シティエリア内の「レスキュー・アカデミー」は、消防車を動かして消火活動にチャレンジするアトラクション
レゴ・シティエリア内の「レスキュー・アカデミー」は、消防車を動かして消火活動にチャレンジするアトラクション

 メーンターゲットは2歳から12歳の子どもとその家族。アトラクションの入場待ちの通路脇にはレゴブロックを組み立てられるスペースが設けられ、大人が並んでいる間、子どもを遊ばせておける。全てのトイレにおむつの交換台が設置されているのもうれしい。ライド系アトラクションも、ほかのテーマパークにあるような絶叫系マシンに比べるとスリルは控えめだった。レストランではアルコール類の販売もなく、カップルでの来園よりも家族連れを意識しているといえるだろう。

人気のアトラクションに並ばなくても楽しめる!

 サブマリン・アドベンチャーなどの人気アトラクションは、内覧会でも最大2時間待ちになっているものもあった。テーマパークに行列はつきものだが、できれば並ばずにストレスなく楽しみたい。そこで、並ばなくてもレゴランドを満喫できるポイントをチェックしてみた。

 ライド系アトラクションが苦手な子どもでも楽しめそうなのが、ネットをよじ登ったり、すべり台やボールプールで遊べるプレイスペースだ。パイレーツ・ショアエリアの「キャスタウェイ・キャンプ」、レゴ・シティエリアの「ザ・ワーフ」、アドベンチャーエリアの「ファラオ・リベンジ」、ブリックトピアエリアの「デュプロ・プレー」の4カ所があり、アスレチック感覚でのびのびと遊べる。

パイレーツ・ショアの「キャスタウェイ・キャンプ」は海賊船をテーマにしている。トンネル型のすべり台に子どもは大喜びだった
パイレーツ・ショアの「キャスタウェイ・キャンプ」は海賊船をテーマにしている。トンネル型のすべり台に子どもは大喜びだった
レゴ・シティエリアの「ザ・ワーフ」は港町をテーマにしている
レゴ・シティエリアの「ザ・ワーフ」は港町をテーマにしている

 レゴブロックを組み立てて遊べるアトラクションがあるのも、レゴランドならでは。ブリックトピアエリアの「ビルド・アンド・テスト」では、自分で組み立てたクルマでレースができる。また、同じエリアの「ロボティック・プレイセンター」ではプログラミング体験もできる。これらのアトラクションも多少の混雑は予想されるが、内覧会では入場制限がかかることはなかった。

レゴ・シティエリアの「ポリス・ビルディング・エクスペリエンス」。ブロックで遊べる場所はほかに、アドベンチャーエリアの「シークレット・チャンバー・オブ・アムセトラ」、ブリックトピアエリアの「ビルド・アンド・テスト」、「レゴ・クリエイティブ・ワークショップ」、「ロボティック・プレイセンター」がある
レゴ・シティエリアの「ポリス・ビルディング・エクスペリエンス」。ブロックで遊べる場所はほかに、アドベンチャーエリアの「シークレット・チャンバー・オブ・アムセトラ」、ブリックトピアエリアの「ビルド・アンド・テスト」、「レゴ・クリエイティブ・ワークショップ」、「ロボティック・プレイセンター」がある

吠える「レゴの狼」など、園内を歩くだけでも楽しい

 別途料金がかかるゲームコーナーも3カ所あり、ボウリングや射的のようなキッズ向けのゲームが楽しめる。1ゲーム500円と安くないが、クリアすると非売品のぬいぐるみが景品としてもらえる。主要エリアの間に配置されているので、アトラクションの混雑具合を見ながら利用するといいだろう。

1ゲーム500円のゲームコーナーが園内に3カ所。各カ所3種類ずつ、計9種類のゲームを楽しめる
1ゲーム500円のゲームコーナーが園内に3カ所。各カ所3種類ずつ、計9種類のゲームを楽しめる

 また園内のいたるところに設置された模型にも、遊び心満載のしかけが施されている。レゴブロックでできた狼は近づくと遠吠えを上げるので、驚いている来園者も多かった。どんな模型があるかチェックして、写真を撮って回るだけでも楽しめそうだ。

 筆者は6歳の長男を連れて内覧会に参加したが、子どもにとってはライド系のアトラクションも、ブロックを組み立てるアトラクションで遊ぶのも同じように楽しんでいる様子だった。レゴの世界に入り込む、と考えれば、人気のアトラクションに並ばなくても1日楽しんで過ごせるのではないだろうか。

年パスが圧倒的にお得!?

 気になるのは料金だ。1日券は大人6900円、子ども料金(3~12歳)で5300円。東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンと比較すると、大人料金はレゴランド・ジャパンのほうが安いが、子ども料金は200~500円も高くなる。これら2つのテーマパークと比べると規模も小さいことから、「料金が高すぎる」という意見が開園前からあった。

 だが、年間パスポートは大人1万7300円、子ども1万3300円。大人も子どもも3回行けば元が取れる計算だ。値ごろ感があるからか、2016年5月に売り出した特典付きの年間パスポートはすでに完売している。今後も地元客を中心とした年間パスポートの利用者は増えていくだろう。

エントランスに入ってすぐの場所にある恐竜の模型。使用したレゴは約25万個
エントランスに入ってすぐの場所にある恐竜の模型。使用したレゴは約25万個

(文/大竹敏之)

■変更履歴
「大人は3回、子どもは2回行けば」としておりましたが、正しくは「大人も子どもも3回行けば」となります。お詫びして訂正いたします。[2017/3/28 13:40]
■変更履歴
「子ども料金は1800~2100円も」としておりましたが、正しくは「子ども料金は200~500円も」となります。お詫びして訂正いたします。[2017/4/8 15:20]
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