とんかつ専門店「かつや」などを展開するアークランドサービスグループは2016年3月1日、東京・新橋駅前のニュー新橋ビルに餃子専門店「新橋ぎょうざ」をオープンした。

餃子専門店「新橋ぎょうざ」1号店はビジネスマンの聖地として知られる東京・新橋駅前のニュー新橋ビルにある
餃子専門店「新橋ぎょうざ」1号店はビジネスマンの聖地として知られる東京・新橋駅前のニュー新橋ビルにある

 最大の売りは、餃子にさまざまなトッピングを後のせするスタイル。餃子の具には臭いが気になるニンニクやニラを入れず、好みに合わせてトッピングで対応することで幅広いニーズに応えようというわけだ。同店の餃子は店内で手包みして作っているため、ベースの餃子を1種類にすることでオペレーションを効率化する狙いもあるという。

ニンニクとニラのしょうゆ漬けを後乗せした「新橋餃子」をメーンに、トッピングでバリエーションを増やしている
ニンニクとニラのしょうゆ漬けを後乗せした「新橋餃子」をメーンに、トッピングでバリエーションを増やしている
餃子は店内で手包みしている
餃子は店内で手包みしている
ベースの餃子は「焼き」と「蒸し」の2種類があり、焼きは蒸したあとに鉄板で焼いている
座席はカウンターのみ。同じグループの天ぷら専門店「あきば」の跡地に居抜きで出店
座席はカウンターのみ。同じグループの天ぷら専門店「あきば」の跡地に居抜きで出店

ジェットコースターみたいな餃子!?

 メニューの実物を見てみると、まず目を引くのが餃子の巨大さ。1個あたりの重量は45gで、市販の標準的な餃子の2倍以上あるという。さらに餃子らしい“ひだ”がなく、平べったい半月形なのは、「焼き面を広くすることでパリッとした食感を出すため」(同店を運営するアークダイニングの岡村俊美社長)だという。

 餃子の具にはひき肉(牛、豚、鶏)とキャベツ、シイタケ、タケノコ、タマネギ、春雨が入っており、複雑ながらやさしい味。「焼き」と「蒸し」の2種類から選べ、トッピングなしの「しろ餃子」ならニンニクやニラの臭いを気にせずにさっぱりと食べられる。

 しかし、この味がトッピングが加わることで激変。ニンニクとニラのしょうゆ漬けやチーズ、キムチをのせることで強烈にパンチの効いた味になるのだ。まさに、落差の激しいジェットコースターみたいな餃子といえるだろう。

ニンニクとニラのしょうゆ漬けをトッピングした「新橋餃子定食」(税込み690円、餃子4個)。定食にはもやし、ご飯、吸い物が付いている
ニンニクとニラのしょうゆ漬けをトッピングした「新橋餃子定食」(税込み690円、餃子4個)。定食にはもやし、ご飯、吸い物が付いている
ニンニクとニラのしょうゆ漬けはトウガラシも入ったピリ辛味
ニンニクとニラのしょうゆ漬けはトウガラシも入ったピリ辛味
「羽チーズ餃子定食」(税込み790円、餃子4個)は餃子と一緒に焼いたチーズが羽のようになっているのが特徴。チーズが非常に濃厚
「羽チーズ餃子定食」(税込み790円、餃子4個)は餃子と一緒に焼いたチーズが羽のようになっているのが特徴。チーズが非常に濃厚
「焼きキムチ餃子定食」(税込み840円、餃子4個)もキムチの濃厚さと辛さが際立つ
「焼きキムチ餃子定食」(税込み840円、餃子4個)もキムチの濃厚さと辛さが際立つ

“日本の餃子”を提案したい

 しかし、いまなぜ「餃子」なのか?

 「国民食として安定的に人気があるうえ、最近では専門店が増えるなどブームの兆しもある。そんななか、これまでの中華のイメージとは一線を画す“日本の餃子”を提案したかった」(岡村社長)という。

 たしかに昨今の餃子ブームを考えれば、オープン当初に人気となることは間違いない。ただ、それを継続していくためには、魅力的なトッピングを次々と投入できるかどうかがカギだろう。

食べ放題のイカの塩辛をトッピングするという荒技も

(文/山下奉仁=日経トレンディネット)

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