店内でカカオ豆からチョコレートを作る「Bean to Bar」の代表格とされる、米国サンフランシスコ発のクラフトチョコレート専門店「ダンデライオン チョコレート」が2016年2月11日、東京都台東区蔵前に日本1号店をオープンした。

 同店はトッド・マソニス氏とキャメロン・リング氏が2010年に設立。IT事業家だった2人が共同経営していたウェブ事業を売却し、ガレージでチョコレートを作り始めたのが始まりだという。

「ダンデライオン チョコレート [ファクトリー&カフェ蔵前]」(東京都台東区蔵前4-14-6)。営業時間は10~20時
「ダンデライオン チョコレート [ファクトリー&カフェ蔵前]」(東京都台東区蔵前4-14-6)。営業時間は10~20時
1階は手前にレジカウンター、奥にチョコレートファクトリー(製造工場)とカウンター席がある
1階は手前にレジカウンター、奥にチョコレートファクトリー(製造工場)とカウンター席がある

チョコレートは3種類だけ!?

 店内に足を踏み入れて驚いたのは、メイン商品であるチョコレートが3種類しかないこと。

 Bean to Barというとさまざまな種類のチョコレートを展開しているイメージがあるが、同店では牛乳や添加物、フレーバーなどを使わず、一つのチョコレートをシングルオリジン(単一の生産地・品種)のカカオ豆とケインシュガー(キビ砂糖)だけで作っているので、種類が少ないのだそうだ。それでも試食してみると、ドミニカ産、マダガスカル産、ベネズエラ産とカカオ豆の産地の違いによって味わいが全く異なることに驚かされる(商品のラインアップは時期によって変わるとのこと)。

 チョコレート作りはまずカカオ豆の選別から始まり、ロースティング(焙煎)、ウィノウィング(カカオ豆を細かく砕き、外皮と内側のカカオニブを分離)、メランジング(カカオニブとケインシュガーを合わせて挽く)、ブロッキング(メランジングしたチョコレートをブロック状にして寝かせる)、テンパリング(温度調整)、成型、ラッピングを経てチョコレートバーが完成する。

 オープン当初は1日数百枚程度しか作れないので店頭販売のみだが、将来的にはウェブでの販売も行いたいという。

オープン時には3種類のチョコレート(各1200円)を販売。それぞれドミニカ産、マダガスカル産、ベネズエラ産のカカオ豆を使用(豆の比率はいずれも70%)
オープン時には3種類のチョコレート(各1200円)を販売。それぞれドミニカ産、マダガスカル産、ベネズエラ産のカカオ豆を使用(豆の比率はいずれも70%)
入り口横にはカカオ豆を保管・選別するスペースも
入り口横にはカカオ豆を保管・選別するスペースも

カフェではチョコレートを使ったドリンクやスイーツを販売

 さらに同店はカフェスタイルの店舗になっているのも特徴。チョコレートを使ったドリンクやスイーツを1階のカウンター席や2階のカフェスペースで楽しめる。

スイーツは3種類のチョコレートを使ったブラウニー(630円)や、カカオの実を焼いて砕いたカカオニブを使ったスコーン(380円)など
スイーツは3種類のチョコレートを使ったブラウニー(630円)や、カカオの実を焼いて砕いたカカオニブを使ったスコーン(380円)など
チョコレートガナッシュを使った“焼きマシュマロ”も。「パプアニューギニア・スモア」(450円)
チョコレートガナッシュを使った“焼きマシュマロ”も。「パプアニューギニア・スモア」(450円)
左がスパイシーな「ミッションホットチョコレート」(580円)、右が「バラオ・ブラウニー」(400円)
左がスパイシーな「ミッションホットチョコレート」(580円)、右が「バラオ・ブラウニー」(400円)
2階のカフェスペースは広々として天井が高いので開放感がある
2階のカフェスペースは広々として天井が高いので開放感がある
カフェスペースの隣にはワークショップスペースも。チョコレート作りを体験できるイベントなどを予定しているという
カフェスペースの隣にはワークショップスペースも。チョコレート作りを体験できるイベントなどを予定しているという
ダンデライオン チョコレート創業者のトッド・マソニス氏
ダンデライオン チョコレート創業者のトッド・マソニス氏

(文/山下奉仁=日経トレンディネット)

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