メッセンジャーアプリ大手のLINEは2017年12月20日、中国のモバイクと資本業務提携を結び、2018年上半期から日本でシェアサイクル事業を本格展開すると発表した。LINEは国内7100万人の顧客基盤を活用することで、一気にサービスを拡大させることをもくろむ。しかし、中国のシェアサイクル事情と比較すれば、その成否は一筋縄ではいかないことが分かる。中国と日本とでは文化や環境の違いに起因するハードルが高そうだ。

2018年上半期にシェアサイクルサービスを提供

 スマートフォンと2次元コードを組み合わせた中国発のサービスが、日本でも多くのメディアで取り上げられるようになった。「支付宝(Alipay)」「微信支付(WeChat Pay)」といった2次元コードを利用したモバイル決済サービスはその代表だ。店舗に掲示された2次元コードを、スマホのカメラ機能で読み込むだけで決済が完了する。訪日中国人の需要を見越し、日本でもそれらのサービスを導入する店舗が増えている。

 この仕組みを応用したサービスとして注目されているのが、利用者間で自転車を共有するシェアサイクルだ。自転車の解錠や決済に2次元コードとスマホを利用する。このシェアサイクルが中国で急速に普及する中、日本でも参入が相次いでいる。例えば、8月にはソフトバンクグループ傘下のソフトバンク コマース&サービス(東京都港区)が、中国のシェアサイクル大手オッフォ(ofo)との提携を発表した。

 これに続くのがLINEだ。LINEは中国のシェアサイクル大手モバイクの日本法人モバイク・ジャパン(福岡市)と手を組んで事業を展開する。

LINEはモバイク・ジャパンと提携。両社でシェアサイクル事業を展開する。写真は12月20日のLINE・新事業展開に関する記者発表会より
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 2社の役割分担はこうだ。シェアサイクル事業の運営をモバイク・ジャパンが担う。一方のLINEは国内で7100万人が利用するメッセンジャーアプリ「LINE」の顧客基盤を活用した、利用者の開拓を狙う。具体的にはLINE上でモバイクの自転車を検索できる仕組みの開発や、LINEのモバイル決済サービスなどを連携させる。また、これまでLINEが築いてきた官公庁や自治体、企業などとの関係を生かして、シェアサイクルサービスに不可欠な駐輪場の設置についてもLINEが交渉などをサポートするという。

 両社によるシェアサイクルサービスは2018年上半期の開始を予定している。利用料金などの具体的なサービス内容や、サービスを開始する地域などはまだ明らかにされていない。だが、この提携に伴ってLINEがモバイク・ジャパンに出資するとともに、取締役1人を派遣することから、LINEがシェアサイクル事業にいかに力を入れているかがうかがえる。