世界3位のスマートフォンメーカーとして、アップルやサムスン電子を脅かす存在となった中国のファーウェイ。日本でもSIMフリー市場でも人気だが、躍進の理由は何か。ファーウェイの本社や研究所がある中国を訪れ、関係者に取材した。

資材から搬送に至る徹底した品質管理

 ここ最近、日本のSIMフリースマートフォン市場で急速に人気を高めている中国のファーウェイ。今年6月に発売した、デュアルカメラ搭載の新機種「HUAWEI P10」「HUAWEI P10 Plus」、シングルカメラ搭載で安価な「HUAWEI P10 lite」がヒットし、並み居るライバルを抑えて首位固めを進めている。

 ファーウェイは日本だけでなく世界でも人気を高めている。端末の出荷台数シェアではサムスン電子、アップルに次ぐ第3位の座を獲得。現在も成長を続け、アップルに迫る勢いだ。

最近は日本のSIMフリー市場でも人気のファーウェイだが、実は世界第3位のスマートフォンメーカーでもある
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 ファーウェイの元々の主力事業は携帯電話基地局などの通信機器である。携帯電話端末の開発は通信機器を提供するキャリアに向けてOEM生産するにとどまり、副次的な事業に過ぎなかった。自社ブランドで携帯電話端末を販売するようになったのは、約5年前からと比較的最近。それなのに、なぜファーウェイは短期間のうちにスマートフォン事業でも成功を収められたのだろうか。

 ファーウェイで端末開発を手掛ける、コンシューマービジネスグループ ハンドセットビジネス バイスプレジデントのリー・チャンズー氏によると、理由の1つは端末の品質向上に力を入れてきたことだという。リー氏は、「ハイエンドからローエンドまで、年間数千万台販売している端末すべてのAFR(年間故障率)が3%前後と、低い数値を誇っている」と、品質に強い自信を見せている。

ファーウェイのリー・チャンズー氏は、同社が品質管理に強くこだわっている
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 スマートフォン開発に必要な資材の調達などを取り仕切る、コンシューマービジネスグループ インテグレーテッドデリバリーマネージメント ストラテジープランニング ディレクターのサニー・ウー氏によると、ファーウェイでは製品の品質を保証するため、5段階のセーフティーネットを設けている。製造工程での品質チェックだけでなく、R&D(研究・開発)での製品デザインや、資材を提供するサプライヤーの選定、調達した資材そのもの、そして製品出荷後のアフターサービスなどでも製品の品質を管理することが、質の向上へとつながっているというのだ。

ファーウェイ製スマートフォンの1割を製造しているという「松山湖生産ライン」。ロボットの導入などで積極的に自動化を進め、なおかつ多くの工程に品質チェックを盛り込んでいるとのこと(提供:ファーウェイ)
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 品質管理の厳しさを表すエピソードとして、サニー氏は2015年にある製品を運搬していたトラックが事故を起こしたときのことを挙げた。幸いにも製品の大半は無傷だったが、それでもファーウェイは、トラックに積まれた製品をすべて破棄したとのこと。生産だけでなく搬送の過程においても厳しい基準を設けているのだという。