ファーウェイの攻勢に対抗する新シリーズを投入

 MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する“格安SIM”サービスの人気と共に市場を広げてきたSIMフリースマートフォン。そのけん引役となったのが台湾のIT機器メーカー、エイスーステック・コンピューター(エイスース)である。

 同社は、2014年に「ZenFone 5」で日本のスマホ市場に本格参入した当初から高性能で安価な端末を投入、日本独自の周波数帯に対応するなどローカライズを徹底したこともあって一躍SIMフリースマートフォン市場の主役に躍り出た。続いて投入した「ZenFone 2」「ZenFone 3」シリーズもヒットし、順調に日本市場を開拓してきたわけだが、最近その好調ぶりに陰りが見え始めた。

昨年発売した「ZenFone 3」がヒットするなど、好調に見えるエイスースだが、ファーウェイなどの攻勢もあって存在感が薄れてきた。写真は2016年9月18日のエイスース新製品発表会より
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 大きな理由は、ライバルである中国の家電メーカー、ファーウエイの躍進だ。日本市場への参入では先行しながらもエイスースに後れを取っていたファーウェイだが、昨年6月に発売した「HUAWEI P9」が背面デュアルレンズカメラを搭載したことで、高価格モデルにもかかわらず大ヒット。さらに、その廉価版となる「HUAWEI P9 lite」や、ミドルクラスの「HUAWEI nova lite」などを続けざまにリリースしたことで、SIMフリースマートフォン市場で注目を集めた。その影響で相対的にエイスースの存在感が薄れてきているわけだ。

 エイスースも、グーグルのAR(拡張現実)技術に対応した「ZenFone AR」や、デュアルレンズカメラを搭載した「ZenFone Zoom S」、動画のライブ配信に注力した「ZenFone Live」などの新機種を今年に入って次々と投入したが、目立ったヒットにはなっていない。

 そこで期待されるのが8月17日に台湾で発表した新機種「ZenFone 4」シリーズだ。9月23日に「ZenFone 4」と「ZenFone 4 Selfie Pro」が発売になり、「ZenFone 4 Pro」も10月下旬以降に登場する予定だ。ZenFone 3シリーズのときは、2016年7月の台湾での記者発表から10月の日本発売までに約3カ月かかっていたことを考えると、同社の力の入れ具合が分かる。

エイスースが新たに投入するZenFone 4シリーズ。全6機種中、日本では3機種が発売される。写真は9月20日の「ZenFone 4テクニカルセミナー」より
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