2017年8月22日、富士通が子会社である富士通コネクテッドテクノロジーズの売却を検討しているとの報道が一部でなされた。富士通は即座に報道を否定したが、実際のところ売却の可能性はゼロなのか。同社の足跡を振り返りながら、その可能性を考えてみたい。

 富士通コネクテッドテクノロジーズは、「arrows」ブランドでNTTドコモ向けやSIMフリー市場向けに独自のスマートフォンを開発・提供していることで知られる。2016年に富士通から分社化される以前には、初のiモード対応携帯電話を提供するなどの実績もあり、現在残っている国内携帯電話事業者の中では老舗の部類に入る。

 富士通は、同社の売却を検討中との報道を否定するコメントを出したが、そこには「2016年2月に分社化しました携帯端末事業につきましては、他社とのアライアンスを含め様々な可能性を検討しておりますが、決定しているものはありません」との文言もある。確かに現時点で決まっていることはないが、売却の可能性があるようにも読める。

NTTドコモの新料金プラン「docomo with」の対象となった「arrows Be F-05J」を提供し、話題となった富士通コネクテッドテクノロジーズ。だが、同社を巡る売却報道が注目を集めた。写真は5月24日のNTTドコモ新サービス・新商品発表会より
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 そもそも富士通は、パソコンやスマートフォンなどの端末事業を取り巻く環境が厳しくなったことを受け、2016年を境にITソリューション事業へとビジネスのかじを切った。それに伴い、パソコン事業を手掛ける富士通クライアントコンピューティングと、携帯電話端末事業を手掛ける富士通コネクテッドテクノロジーズを2016年に子会社化。他社との事業統合やアライアンスなど、さまざまな形でビジネス継続のための模索を続けてきた。

 実際、パソコン事業に関しては、レノボとの事業統合に向けた交渉を進めていることが明らかにされている。それだけに、携帯電話事業を売却したとしても何らおかしくない状況にある。