NTTドコモは2017年4月26日、新料金プラン「シンプルプラン」を発表した。これは無料通話が家族内に限定される代わりに、月額980円とMVNO並みの基本料金を実現したものだ。安価な料金プランの提供は、NTTドコモにとって基本料の減収につながる懸念がある。それでもあえてNTTドコモがシンプルプランを提供する狙いは一体どこにあるのだろうか。

NTTドコモが新たに打ち出した2つの料金施策

 2014年に大幅に業績を落とし、話題となったNTTドコモ。しかしその後は著しく業績を回復させている。4月26日に発表した2016年度通期の決算では、営業収益は前年度比1.3%増の4兆5846億円、営業利益は前年度比20.7%増の9447億円と、増収増益。2017年度の目標を1年前倒しで達成するなど好調だ。

昨年、吉澤和弘氏に社長が交代したばかりのNTTドコモ。業績は引き続き好調のようだ。写真は4月26日のNTTドコモ決算説明会より
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 これを受けてNTTドコモは、顧客基盤を強化するための新たな施策として、同日に2つの料金プランを発表した。「シンプルプラン」と「ウルトラシェアパック30」である。

 シンプルプランは「カケホーダイプラン」「カケホーダイライトプラン」など従来の料金プランとは異なり、無料通話は家族内の通話だけに限られ、それ以外の相手に通話する場合は30秒20円の料金がかかるプラン。ただし、その分月額料金は1000円を切る980円ととても安価に設定されている。

 これは、普段家族以外と通話をしない人や、LINEの無料通話など他のコミュニケーション手段を日常的に利用している人向けのプランだが、契約できるのは、5GBの「シェアパック5」(月額6500円)から100GB「ウルトラシェアパック100」(月額2万5000円)までのいずれかを契約し、そのデータ通信容量を家族内でシェアできる「シェアパック」の利用者に限られる。単身者向けの「データパック」契約者は利用できないので注意が必要だ。

 一方の「ウルトラシェアパック30」は、昨年から提供されている「ウルトラシェアパック」の中で、最も安価なプランとして新設されたもの。15GB分の通信容量を家族とシェアできる「シェアパック15」の料金(月額1万1300円)に1000円を追加し、月額1万2300円を支払うと2倍の30GB分のデータ通信容量が利用できる。

NTTドコモが顧客還元策として新たに打ち出した月額980円の料金プラン「シンプルプラン」と、30GBの容量を従来より安価に利用できる「ウルトラシェアパック30」。写真は4月26日のNTTドコモ決算説明会より
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