高額な端末代で実質的な“3年縛り”に

 スマートコミコミ+の縛りの要素の1つは、実は端末代を36回の分割払いにする仕組みであること。1年経過後に端末を機種変更した場合、古い端末は返却する代わりにその残債を支払う必要はなくなるが、買い替えた端末を再び36回払いで支払う必要があるため、分割払いに縛り続けられることとなる。そしてもう1つは、元々の端末価格設定が非常に高額なことだ。

 確かに、サービスのメリットを生かして1年ごとに買い替えていけば、いつでも最新機種が利用でき、なおかつセット割による安価な月額料金で利用し続けられる。だが、途中でFREETELのサービス自体を解約したいと思ったとしても、36回払い分の返済は残る。

 もちろん、解約後に端末の返済が残るというのは大手キャリアも同様だ。しかしここで大きな問題となるのが、スマートコミコミ+で購入する場合、端末価格が通常よりもかなり高く設定されていることだ。例えば、ASUSの「ZenFone 3」の場合、公式のオンラインショップでの価格は、現在4万2984円となっているが、スマートコミコミ+での価格は7万7760円。同じFREETELの「KIWAMI2」の場合でも、オンラインショップでの価格が5万3784円なのに対し、スマートコミコミ+での価格は9万7200円と2倍近いのだ。

FREETELの「KIWAMI2」の価格を見ても、オンラインショップでの通常価格と、スマートコミコミ+の価格とでは2倍近い差がある。写真は2016年11月21日の「FREETEL World 2016 Fall/Winter 2」より
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 スマートコミコミ+は大手キャリアのように回線に対する契約の“縛り”があるわけではない。だが、端末が非常に高額であるため、残債を考慮して解約しなければ、途中解約時に端末の通常販売価格よりも高い金額を支払う羽目に陥る。それが実質的な“縛り”になるとして、批判されているのだ。

 プラスワン・マーケティングはこれまでの発表会において、ユーザーを“縛らない”方針を強く打ち出してきた。実際、同社は自社でスマートフォンを開発しているにもかかわらず、最近では、ASUSやファーウェイなど他社のスマートフォンも取り扱っており、ユーザーの選択肢を保っている。だが、スマートコミコミ+の内容を見ると、実質的な縛りがあるだけでなく、その内容も細かな注意書きが多いなど、複雑で分かりにくいものとなっている。どちらかといえば、ユーザーを縛る傾向が強い大手キャリアのやり方に近づいているようにも見える。

 筆者がプラスワン・マーケティングに対し、スマートコミコミ+の施策の経緯や、ユーザーからの指摘をどのように捉えているか問い合わせをしたところ、スマートコミコミ+は、通信料、端末料、保証などトータルでの支払金額を安く抑えることを主眼として、期間および価格を設定したとのことだった。また、同社は19日にスマートコミコミ+の仕様変更を発表。解約時に割賦残債を一括で支払うか、端末と付属品を残債の50%の金額でプラスワン・マーケティング側が買い取る(故障端末を除く)かを選べるようにしたとしている。一連の批判を受け、端末を買い取ることで高額な残債の支払いを回避できる手段を用意したようだ。

プラスワン・マーケティングは自社でスマートフォンを開発しながら、通信サービスとしては、他社端末の販売も始めるなど、これまでユーザーを縛らない方針を強く打ち出してきた。写真は2016年11月21日の「FREETEL World 2016 Fall/Winter 2」より
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