楽天が申請したことで注目された、総務省の新たな4G携帯電話向け周波数の割り当て。4月6日にその結果が発表され、通信事業者大手3社と楽天にそれぞれ希望の周波数が割り当てられた。各社が獲得した、あるいはしなかった周波数からは、それぞれの企業の事情が見てとれる。

順当に4社への割り当てが決定

 昨年末に携帯電話事業への参入を表明して以降、その動向が注目されている楽天。同社が参入を目指すきっかけとなったのが、総務省による第4世代(4G)携帯電話ネットワーク向けの新たな周波数(1.7GHz帯と3.4GHz帯)割り当ての実施だ。

 このうち1.7GHz帯は、既にNTTドコモに割り当てられている東名阪向け以外のエリアに加え、新たに上り・下り各20MHzの帯域を2つの事業者に割り当てるとしていた。また、3.4GHz帯は上りと下りの割合を自由に変えられる40MHzの帯域を2つ割り当てるとのことだ。

 1.7GHz帯と比べて自由度が高い3.4GHz帯は、トラフィック対策に適している。だが一方で、1.7GHz帯には電波を遠くまで飛ばせるというメリットがある。このため、どちらを取るかで、各社の戦略が大きく分かれるのである。

 割り当てを申請したのは、楽天が1月10日付で設立した楽天モバイルネットワーク(東京・世田谷)のほか、ドコモ、ソフトバンク、そしてauブランドでサービスを展開するKDDIと沖縄セルラーの4グループ。そして4月6日、総務省が発表した「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定について」によると、1.7GHz帯が割り当てられたのは楽天モバイルネットワーク、そしてKDDIと沖縄セルラーであった。一方、3.4GHz帯を割り当てられたのはドコモとソフトバンク。各社が申請した帯域に重複はなく、希望通りの周波数を獲得できたようだ。

総務省公開資料「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定について」より。楽天とKDDI/沖縄セルラーには1.7GHz帯、NTTドコモとソフトバンクには3.4GHz帯が割り当てられた
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 電波は通信事業者にとって生命線とも言えるだけに、各社ともどの周波数を獲得するかに関して探り合いが続いていたようだ。とはいえ、今回の周波数割り当てで各社が希望通りの周波数を獲得できたのには、それぞれの企業の戦略が大きく影響している。

2月27日(現地時間)にスペイン・バルセロナで開かれた「Mobile World Congress 2018」で講演する楽天の三木谷浩史社長。今回の周波数の割り当てを受け、2019年10月のサービス開始を目指す
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