三木谷氏が携帯事業参入を決めた理由とは

 2月27日には、スペインのバルセロナで開催されていた携帯電話の総合見本市イベント「Mobile World Congress 2018」で、楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏が基調講演に登壇。楽天のポイントを仮想通貨化することによってグローバル化する「楽天コイン」構想について語っただけでなく、携帯電話事業に関しても言及。改めて携帯電話事業参入に至った理由について説明した。

 そもそも楽天が携帯電話事業に参入したのには、楽天のサービス利用がパソコンからスマートフォンへと大きくシフトしてきたことが背景にあると、三木谷氏は言う。実際、日本における楽天のEC(電子商取引)の売上高は、65%をモバイル経由が占めるとのこと。スマートフォンの重要性の高まりが、同社の携帯電話事業参入に大きく影響したことは間違いない。

楽天が携帯電話事業への参入を決めたのには、国内における楽天のサービス利用の主体が、パソコンからスマートフォンにシフトしたことが大きな要因になっているという。写真は2月27日の「Mobile World Congress 2018」基調講演より
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 そしてもう1つの要因は、やはり短期間のうちにコンシューマー向けのMVNOとしてトップシェアを獲得するに至ったことのようだ。楽天が「楽天モバイル」としてMVNO事業を本格展開したのは2014年だが、それから3年余りで150万契約を獲得するに至った。そうしたMVNOでの実績が携帯電話事業へのステップアップにも生かせると考え、参入という判断に至ったようだ。

楽天モバイルが3年余りで150万契約を獲得し、コンシューマー向けのMVNOとしてトップシェアを獲得したことも、携帯電話事業参入に大きく影響したようだ。写真は2月27日の「Mobile World Congress 2018」基調講演より
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 三木谷氏は携帯電話事業参入に関して「ゲームチェンジャーになる」と意欲を示すが、その目指す姿はどのようなものなのか。

 既にECを軸として多くのサービスを提供している楽天としては、自ら携帯電話事業を展開することで築いたネットワークを触媒として顧客とコンテンツサービスをつなげたいというのが三木谷氏の考えのようだ。最近、NTTドコモやauがライフスタイル事業に力を入れていることからも分かるように、大手キャリアも通信を軸としてコンテンツやサービスの拡大を図っている。楽天が目指すビジネスの方向もそれら大手キャリアと同じであったため、同社が携帯電話事業への参入を目指すに至った理由の1つだろう。