大手キャリアとMVNOの中間的存在として人気の高いソフトバンクのワイモバイルブランド。低価格帯の競争が激化する中にあって、好調な理由はどこにあるのか。学割、Android One対応端末の拡大、「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」という最新の3つの代表的な戦略を糸口に、ソフトバンクでワイモバイル事業を取り仕切る、Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏に聞いた。

春商戦に向け次々に施策を発表

 最近、低価格でスマートフォンが利用できるサービスの人気が急速に高まっている。その代表が、ソフトバンクが展開する「ワイモバイル」ブランドだ。ワイモバイルは他の低価格サービスとは異なり、MVNOではなくソフトバンク自身が直接運営している。そのことをフル活用し、業界をリードする施策を次々と打ち出し人気を獲得してきた。

 2016年の春商戦では、学割施策「ワン!キュッパ学割」を打ち出し、さらにiPhone 5sの販売を開始したことで市場に大きなインパクトを与えた。

 2017年2月には、協力関係にあるヤフーとの連携を一層強化。「Yahoo! Japan」の有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」と同等のサービスを無料で利用できる「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」を開始したり、グーグルが一定期間のOSアップデートなどを保証する「Android One」を採用したスマートフォンのラインアップを拡大したりと、新たなサービスを実施し、ライバルに差を付けようとしている。

 Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏は、「今のところは、好調というよりも堅調といったところだ」と話す。具体的な進学先が決まった後の3月中盤頃から春商戦が特に盛り上がるため、ユーザー獲得が本格化するのはこれからと見ているようだ。

ソフトバンクでワイモバイルの事業を取り仕切るY!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏
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スマホデビュー早期化を見越した「ヤング割」

 ワイモバイルは、今年の学割商戦に向け、18歳以下のユーザーに対し、他の割引と組み合わせる形で、実質的に2年間、基本料金が月額1000円引きとなる学割サービス「ヤング割」を1月に発表した。その理由を寺尾氏は「学生のスマートフォンデビューが以前よりも早くなっているから」と答える。

 かつては、大学生に入ったタイミングで携帯電話を購入するケースが多かった。しかし、スマートフォン時代に入り、そのタイミングは早まっている。中学進学時に生徒の約半数、高校進学時に残りの約半数がスマートフォンデビューを果たすようになったという。そこで、ヤング割では、ターゲットを「18歳以下」と明確に設定し、そこをフックに家族を狙う戦略を採った。

 ちなみにヤング割のテレビCMは、昨年に続き、往年のヒット曲『ヤングマン』を採用しており、学生をターゲットとしている割にはややレトロ感がある。この点について寺尾氏は、「若い人はあまりテレビCMを見ないので、40~50代など親の世代を想定している」と話した。

ワイモバイルの学割施策「ヤング割」は、往年のヒット曲『ヤングマン』をCMに採用するなどアピールする層を親世代に設定している。写真は1月18日の「Y!mobile 2017 Spring」より
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