「フランス発」をうたうスマートフォンメーカー「Wiko」(ウイコウ)が日本に上陸した。若い世代に強みを持つというWikoの第1弾の端末「Tommy」も、10~20代の若年層をターゲットとしている。しかし、日本とフランスとでは、若い世代を取り巻く事情が大きく異なる。特に学生はiPhone信仰が非常に強いことから攻略は容易ではない。一体どのような戦略で日本の若者に訴求しようとしているのだろうか。

フランスでシェア2位のメーカーが日本上陸

 MVNO(仮想移動体通信事業者)の急拡大に伴い参入事業者が相次ぎ、競争が激しくなっているSIMフリースマートフォン市場。ファーウェイやASUSなどSIMフリーを柱に日本市場の開拓に力を注ぐ海外メーカーが増えている。そんな中、2017年2月14日に新たにフランスの「Wiko」というスマートフォンメーカーが参戦を表明した。

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フランスのスマートフォンメーカーのWikoが2月14日に日本のSIMフリースマートフォン市場への参入を表明

 Wikoはフランスで2011年に創業したスマートフォンメーカー。リーズナブルな価格ながら、ポップなカラーを採用するなどデザインに注力した端末を多く提供しているのが特徴だ。欧州を中心に低~中価格帯スマホで高い販売シェアを持ち、フランスやポルトガルで2位、イタリアで3位のシェアを占めるなど、欧州では人気のメーカーだ。

 筆者も「Mobile World Congress」や「IFA」など欧州で開催される展示会の多くでWikoの大きなブースを目にしている。欧州の携帯電話メーカーといえば、かつては圧倒的なシェアを誇るノキアが有名だった。しかし現在は、創業して日が浅いベンチャーながらもWikoが欧州を代表するメーカーの1つとなっているのだ。

昨年の「Mobile World Congress 2016」より。Wikoは欧州の展示会で大規模なブースを構え自社製品を積極的にアピールをするなど欧州では高い知名度を誇る
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 ビジネスモデルにも特徴がある。端末のデザインや設計は自社で手掛けているものの、製造は中国のODMメーカーに委託することで、スマートフォンを低価格で提供している。同様の手法は日本でも「FREETEL」ブランドでスマートフォンを提供するプラスワン・マーケティングが取り入れているが、Wikoはそうしたビジネスモデルの先駆けだ。

 Wikoは欧州での成功を契機に、海外進出も積極的に進めている。すでにアフリカや中東、アジアなど33カ国に進出している。そして今回、日本のMVNO市場、SIMフリースマートフォン市場が急拡大する中、日本にも参入を果たしたのだ。