パソコンメーカー「VAIO」のブランドを冠しながら、デザインや内容が平凡であったため、多くの批判を浴びた「VAIO Phone」。その発表から約1年が経過した2016年2月、VAIOは新たなスマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表した。スマートフォン市場の競争が激しくなる中、VAIOがスマートフォン開発に力を入れるのはなぜなのか。

最初のVAIO Phoneは平凡で不評

 ソニーからスピンアウトし、パソコン事業を展開しているVAIO。そのVAIOがスマートフォン端末事業に参入したのは2015年3月のこと。VAIOはMVNO(仮想移動体通信事業者)の1つである日本通信との協業で「VAIO Phone」を販売すると発表した。

 VAIO Phoneの製造・販売は日本通信が担当し、VAIOはデザインの監修を担当したのみだった。出てきた製品は、ミドルクラスのAndroidスマートフォンにVAIOロゴが付いた平凡なもので、こだわりの強いパソコンを開発してきたVAIOらしさが、全く感じられなかった。そのため、発表直後からVAIOファンを中心に大きな批判が起こり、評判を大きく落とす結果となってしまった。

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VAIOが日本通信との協業で提供した「VAIO Phone」は、機能やデザインにこだわりが感じられなかったことから、ファンの批判を集め、評価を大きく落とす結果となった。写真は2015年3月12日のVAIO Phone発表会より

 そうした前評判が影響してか、VAIO Phoneは販売に苦戦した。日本通信は今年1月22日、2016年3月期の業績予想を11億円の黒字から15億円の赤字へと大幅に下方修正しているが、その要因の1つとして、VAIO Phoneを完売するための在庫評価減の実施を挙げている。VAIO Phoneの評価が業績悪化要因の全てではないだろうが、少なからず影響したといえるだろう。

 自社で全てを手掛けたわけではないとはいえ、このことによりVAIOのスマートフォン事業は大きく評価を落としてしまった。しかしVAIOは、これでスマートフォン事業を諦めたわけではなかった。2015年10月には、マイクロソフトが、Windows 10 Mobileを採用したデバイスの開発を表明したメーカーの中にVAIOが含まれていることを明らかにした。それにより、再びVAIOのスマートフォンへの注目が高まっていたのだ。

 そして去る2016年2月4日、VAIOは満を持して、新スマートフォンの発表会を実施。そこで発表された新機種が「VAIO Phone Biz」だ。

VAIO Phoneから約1年がたった2016年2月4日、VAIOは新スマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表した。写真は同発表会より
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■変更履歴
「VAIO Phone Biz」発表会の日付に誤りがありました。正しくは「2016年2月4日」です。お詫びして訂正します。該当箇所は修正済みです。[2016/2/10 19:50]