関西電力系の通信会社、ケイ・オプティコムがMVNOとして展開する「mineo」。コミュニティーサイト「マイネ王」を主軸とする独自の戦略で、好調に会員数を増やしている。1月からはテレビCMを開始、2月には東京・渋谷にショップを構えるなど、会員数のさらなる獲得を図っている。一方で、新たな問題が発生。コミュニティーを主軸とする戦略には難しさも伴うことが浮き彫りになっている。

50万契約獲得で頭角を現したmineo

 低価格を求めるユーザーが増えたことで、MVNOやサブブランドの人気が高まり、競争が激化している。そうした中で最近、存在感を高めてきているのが「mineo」だ。

 mineoは、関西で光ブロードバンドサービスなどを提供する関西電力系の通信会社ケイ・オプティコムが、2014年よりMVNOとして全国展開しているモバイル通信サービスだ。MVNOとしては当時非常に珍しかったKDDI(au)の回線を用いてサービスを開始したことで注目を浴びた。2015年にはNTTドコモのMVNOにもなり、現在は2つのキャリアのネットワークを用いた数少ない「マルチキャリアMVNO」の1つとなっている。

 加入者数を順調に伸ばし続けており、今年1月には50万件を突破した。MVNO市場は今後も成長が続くと見られることから、mineoは、今年度末で加入者数55万件、来年度には100万件を超える104万件を目指しているという。

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mineoの契約者数はNTTドコモ回線の「Dプラン」とau回線の「Aプラン」を合わせて50万件を突破。調査によっては大手の一角に食い込むなど存在感を高めてきている。写真は1月19日のmineo事業戦略発表会より

 関西電力系列の企業であるケイ・オプティコムは、多くの独立系MVNOと比べると、企業体力の面で有利だ。一方で、MVNOの多くがユーザー数が多い首都圏を基盤にしているのに対し、関西が基盤ゆえの不利な部分もある。それでも、mineoが急成長している要因はどこにあるのだろうか。

コミュニティーサイト「マイネ王」でファンを広げる

 その要因の1つが「Fun with Fans!」というキャッチフレーズで展開している、ユーザーとのコミュニケーションを重視した独自の戦略だ。mineoは、ユーザー同士が情報交換する独自のコミュニティーサービス「マイネ王」を2015年より提供しており、これがユーザー同士だけでなく、ユーザーとmineo側とのコミュニケーションにもなっている。マイネ王に書き込まれたユーザーの要望の中から、サービスの改善や新サービスの開発につなげているのだ。

 また、マイネ王の特徴的なサービスとして、「フリータンク」がある。これは通信量が余った人がタンクに容量を預け、通信量が不足しているユーザーがそれを引き出して利用できるというもの。ユーザー同士がデータ通信量を融通し合う仕組みだ。昨年にはグッドデザイン賞を受賞するなど高い評価を得ている。

 そこでmineoは、マイネ王を軸としたコミュニケーション戦略を強化。mineoの新サービスや改善に関する要望を自由に書き込める「アイデアファーム」や、ユーザーがうれしいことなどを書き込んだ数をカウントする「ハッピーメーター」などの新たなサービスを導入し、利用拡大を進めている。

 マイネ王の会員数は現在のところ、mineoユーザーの約30%にあたる約15万3000人。この会員数を増やしていくことが、mineoのさらなる成長を後押しする。

 コミュニティーを活性化すればファンが増え、ファンの口コミによりmineoへの新たな加入者を獲得できる。特にMVNOはブランド力が弱く、差異化も難しくなってきていることから、口コミが契約に大きく影響する。それだけに、強いコミュニティーを持っていることが、mineoの強みとなっていることは確かだ。

mineoはコミュニティーサイト「マイネ王」を戦略の軸としており、ユーザーとのコミュニケーションによりファンの拡大を狙っている。写真は1月19日のmineo事業戦略発表会より
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