「2年縛り」「中古」「サブブランド」を問題視

 1つ目の2年縛りに関しては、これまでもその是非についてさまざまな議論があり、結果として現在は2年縛りの解除前にメールで通知するようになったり、手数料なしで契約を解除できる期間が1カ月から2カ月に延びたりした。また各キャリアとも、契約から2年が経過した後は「縛り」がない料金プランに変更できる仕組みを用意している。

 にもかかわらず検討会で指摘されたのは、意思表示をしない限り自動で契約が更新され続けることが、ユーザーの乗り換えを難しくしているととらえられたからだ。この点に関しては、「デフォルトで2年間拘束するのは、通常の消費者契約法ではアウトになる。(携帯電話事業に適用される)電気通信事業法で外れている意味があるのか」(明治大学法学部の新美育文教授)という厳しい声がある一方、「これまで多様な施策を導入してきた。まずはそれらの取り組みの効果をしっかり検証した上で検討すべき」(野村総合研究所プリンシパルの北俊一氏)といった意見も出ていた。

 2つ目の中古端末に関しては、キャリアが下取りした端末が国内で流通せず、海外に転売されていることが問題視されている。国内の中古市場で端末の流通量が増えないと、ユーザーは新品の端末を購入せざるを得ず、そのことが選択肢を奪っているとの指摘である。

 そして、先般の検討会で最も問題視されていると筆者が感じたのが、3つ目の接続料や契約に関する問題――つまりキャリアがMVNOに対して適正な条件でネットワークを貸し出していないのではないかという点である。特にキャリアのサブブランドが、MVNOではコスト的に不可能な料金を設定し、MVNOが提供できないテザリングなどのサービスを提供していることに対しては、公正な競争ができないとしてMVNOからの不満が多く出ているという。

 この点に関しては、検討会の参加者の多くが問題意識を持っているようだ。中には「MVNO各社とキャリアを比較すると、どの指標をとっても大きな差がある。MVNO振興に沿って考えると、(キャリアに)何らかのハンデキャップを課すことが必要ではないか」(神奈川大学経営学部の関口博正教授)など、キャリアへの規制に言及する意見も出ていた。

先の検討会における事務局説明資料より。キャリアとMVNOとの同等性を確保する上で、キャリアとの接続条件、2年縛り、そして中古端末の3点が大きな問題として挙げられている
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