この記事は「日経トレンディ」2016年12月号(2016年11月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 ソニーのクラウドファンディングサイト「ファースト・フライト」で昨年にデビューし、1000万円以上の支援を集めた、パーソナルアロマディフューザー「アロマスティック」(実勢価格8980円・税別)。支援者からのフィードバックを踏まえた改良版が一般販売を開始した。

 開発したのは、ソニー・新規事業創出部の「OE事業室」。OEはOlfactory Entertainment、つまり「嗅覚のエンターテインメント」の略だという。映像や音響を手がけてきたソニーとして、「新たに香りをエンタメの領域にまで昇華させたい」(統括課長の藤田修二氏)という狙いが開発のきっかけになっている。

ソニー「AROMASTIC OE-AS01」
実勢価格/8980円(税別)
サイズ・重さ/直径25×高さ86mm・33g
電池/満充電から約1カ月使用可能
カートリッジ寿命/約2~4週間 ※いずれも1日10回・約10秒ずつ使った場合の目安

本体色は白、黒の2種類だが、別売りで3色の専用カバーも用意(1480円)
本体色は白、黒の2種類だが、別売りで3色の専用カバーも用意(1480円)

どこでも一人で楽しめる「嗜好品家電」

 本体は小型のモバイルバッテリーに近いサイズ感。中央部に小さな専用カートリッジをセットし、ダイヤルを回して好きな香りを選んだら、側面のボタンを押す。すると、香りを含んだ風が上部から緩やかに吹き出す。カートリッジは5種類のアロマオイルを内蔵しており、1日10回使っても2週間以上は香りが持続するという。スマホと同様のUSB端子(マイクロUSB)で充電できるなど、使い勝手も工夫されている。

本体上部にカートリッジを差す
本体上部にカートリッジを差す
5種類のオイルを内蔵。ダイヤルを回して香りを切り替える
5種類のオイルを内蔵。ダイヤルを回して香りを切り替える

 鼻から30cm以上離すと香りが感じにくくなり、至近距離でないと使えない印象だった。しかし、この「パーソナル感」こそがアロマスティックの売りで、簡単に持ち運べるだけでなく、周囲に気づかれずに、自分だけで楽しめるというメリットもある。混雑した電車の中、緊張するプレゼンの直前といった、アロマディフューザーの新しい利用シーンを開拓する可能性を秘めている。

黒を用意していることからもわかるように、男性の利用も強く意識している
黒を用意していることからもわかるように、男性の利用も強く意識している

 フィリップ モリス ジャパンの加熱式たばこ「IQOS」は、周囲に迷惑をかけにくいことが大ヒットの原動力となった。アロマスティックも同様に、どこでも一人で楽しめる「嗜好品家電」として、女性のみならず男性からの支持も集めそうだ。

別売りのカートリッジは3種類(2280~2780円)。「ビジネス」など、利用シーンを絞ったカートリッジも用意
別売りのカートリッジは3種類(2280~2780円)。「ビジネス」など、利用シーンを絞ったカートリッジも用意

(文/日経トレンディ編集部)

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