9月にドイツで開催されたカメラの総合見本市「フォトキナ2016」で注目を集めたのが、ドイツのカメラメーカー、ライカが手がけるインスタントカメラ「ライカ ゾフォート」だ。11月、いよいよ日本で発売される。
デジカメの普及により一度は衰退したインスタントカメラ。しかし、フィルムならではのボケ感やプリントを待つ間のわくわく感は、若者には新鮮だ。富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」の人気が世界的に高まっており、ライカはここに目を付けた。
●サイズ・重さ/幅124×高さ94×奥行き58mm・約305g(バッテリー、フィルム除く)
●絞り/f12.7
●焦点距離(35mmフィルム換算)/34mm
●撮影距離/0.3~0.6m(接写モード)、0.6~3m(標準)、3m以上(遠景)
●対応フィルム/ISO800
ライカ ゾフォートは、チェキと同じフィルム規格「instax」を採用。「富士フイルムとの技術提携品で、中核となる技術は同社のもの。ただし、ライカ独自の要件を満たすように、仕様を改良している」(ライカカメラジャパン)とする。一方、外観デザインはライカ独自のもの。高級感はないものの、女性向けのかわいいデザインが多いチェキとは異なり、男性が持っても違和感はない。
セルフィーモードもある
撮影モードは自動モードの他、パーティモードやスポーツモード、接写モードなど複数用意。時流を感じさせるのがセルフィーモードで、レンズを自分に向けた際に構図を確認できるミラーもボディ前面に付いている。
撮影してみたところ、デジカメのように鮮明ではなく、少しぼやけた感じに仕上がった。また、ファインダーで確認した構図と同じように仕上がるわけでもない。特に近くのものを撮ると被写体の位置のずれが大きく、一部が切れてしまうことがあった。狙った通りの写真にするには慣れが必要だ。
予想実売価格は3万2000円(税別)で、安くても10万円近くはするライカのデジカメと比べると格安だ。ただし、ベースになったとみられる富士フイルムのモデルよりは2万円ほど高い。機能の差はほとんどなく、首から下げたときのファッションアイテムとしての魅力のほうが大きい。
(文/日経トレンディ編集部)