この記事は「日経トレンディ」2016年12月号(2016年11月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 自転車での利用に特化したウエアラブルディスプレイを、GPS機器メーカーのガーミンが発売した。「Varia VisionJ」は、約1cm四方の超小型ディスプレイを備え、サングラスのフレーム部に取り付けて利用する。

 最大のメリットは、視線を常に前方に向けたまま、さまざまな情報を確認できることだ。同社製のサイクルコンピューターや腕時計型のウエアラブルデバイス、サイクリング用センサーと連係。スピードや距離、高低差、ケイデンス(ペダルの1分ごとの回転数)などの走行情報の他、心拍数なども表示できる。

ガーミン「Varia Vision J」
実勢価格/4万9800円(税別)
サイズ・重さ/60×19.7×19.8mm・29.7g
ディスプレイ解像度/428×240ピクセル
バッテリー駆動時間/約7時間
防水等級/IPX7

画面表示の例。4分割したエリアに、各種情報が表示される
画面表示の例。4分割したエリアに、各種情報が表示される
本体側面のタッチパッドをこすって表示画面を切り替えられる
本体側面のタッチパッドをこすって表示画面を切り替えられる
サングラスのフレーム部分にアタッチメントを装着。左右どちらにも付けられる
サングラスのフレーム部分にアタッチメントを装着。左右どちらにも付けられる

方向指示や後方からのクルマの接近状況も表示可能

 さらに、サイクルコンピューターでナビゲーションを利用する際には、方向指示などの情報も映せる。一般的に、機器類は自転車のハンドルに取り付けて使うことが多く、確認するには視線を下に向ける必要があった。だが、Vision Jなら視線を大きくそらさずに済む。実際使ってみると、サングラスのレンズ中央からやや外側に情報が“浮き出る”ように見えるため、視界を遮る範囲は最小限だった。表示の明るさも十分で、晴天下でもしっかり視認できた。別売りのリアビューレーダーと組み合わせれば、後方からのクルマの接近状況も表示可能。サイクルコンピューターなどの機器をスマホと連係させることでメールや電話の着信通知も見られ、非常に多機能だ。

 本体は30gほどと軽く、装着感は良好。本体側面にタッチパッドを備え、グローブを着けたままでもスワイプ動作で表示の切り替えが簡単にできるなど、使い勝手も良かった。一般的なウエアラブルディスプレイのように、スマホなどの動画を見るといった使い方はできない。ただ、走行情報の表示に特化したことで、小型・軽量ながら約7時間の長時間駆動が可能になった。IPX7の生活防水機能も備え、長時間のツーリングでも活躍しそうだ。

■“リアレーダー”とも連係
同社製のサイクルコンピューターとBluetoothで接続。走行情報などを得られる
同社製のサイクルコンピューターとBluetoothで接続。走行情報などを得られる
リアビューレーダーとペアリングすれば、後方からのクルマの接近状況を振り向かずに確認できる
リアビューレーダーとペアリングすれば、後方からのクルマの接近状況を振り向かずに確認できる
注)Varia Vision Jに対応する機器は、サイクルコンピューターのEdge 1000J/820J/520J、Variaリアビューレーダー、腕時計型のForeAthlete 735XTJなど

(文/日経トレンディ編集部)

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