この記事は「日経トレンディ」2016年10月号(2016年9月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 ゴキブリ対策グッズはさまざまなものが売られているものの、それぞれ一長一短があり、決め手に欠けるのが実情。手軽なのはゴキブリに直接噴霧するエアゾール剤だが、偶然見つけた虫への対処法にすぎない。部屋の隅に潜むゴキブリまで一網打尽にするには、薫煙剤が有効。ただし、殺虫成分を含む煙を部屋に充満させるため、その間は部屋に入れず、食器類を片づけておく必要があるなど、手間がかかる。

 エアゾール剤のように手軽に使えて、薫煙剤のように複数のゴキブリを駆除できる。そんな画期的な商品「ゴキブリワンプッシュ」が、フマキラーから発売された。

 エアゾール剤を小さくしたような見た目で、プッシュして薬剤をスプレーするところも同じ。ところが、出てきたゴキブリに直接かけるわけではない。薫煙剤のように、ゴキブリがよく潜んでいる家具の隙間などに向けて定期的に使用するものだ。

 噴霧される粒子径がエアゾール剤の約4分の1と細かいのが特徴で、約1m50cm先まで薬剤が到達するという。これで、奥に潜んでいる複数のゴキブリを1度に駆除できる。ただし、ゴキブリの卵には効かないため、「2週間空けて、卵がふ化した頃にもう一度使うといい」(フマキラー)。

フマキラー「ゴキブリワンプッシュ」
実勢価格/1180円(税別)
容量/60g
使用可能回数/約80回分
噴霧到達距離/約1m50cm

■エアゾール剤よりも霧が細かい
■エアゾール剤よりも霧が細かい

注)エアゾール剤の油量はゴキブリ1匹を駆除する際の平均的な使用量

ゴキブリが“即死”しないように成分量を調整

 商品化に当たっては、ゴキブリが“即死”しないように成分量を調整。死に至るまで1~5分かかるため、薬剤を浴びたゴキブリは隙間から出てきてから動かなくなる。あえてそうしたのは、市場調査で65%の消費者が、確実に退治できたことを確認したいなどといった理由で「死骸を見たい」と回答したため。ゴキブリの死骸が隙間に残りにくい点もメリットといえる。

 実勢価格は1180円(税別)とやや高めだ。ただ、約80回使用でき、2週間に1回、1度の使用で10カ所に使っても約4カ月持つ計算。エアゾール剤の代わりに使ってみてもいいだろう。

■エアゾール剤以上の使いやすさと薫煙剤の効果を併せ持つ
■エアゾール剤以上の使いやすさと薫煙剤の効果を併せ持つ
家具の隙間など狭い所に細かい霧を噴射。薬剤が隙間の奥まで入り込む
表に出てきて1~5分で死ぬ
表に出てきて1~5分で死ぬ
死に至るまで1~5分かかるため、隙間からはい出してきてから動かなくなる

(文/日経トレンディ編集部)

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