今、再びシビックを投入する意味は何か

 シートポジションを下げて重心を低くし、ハッチバックでは無段変速機(CVT)に加え、今は珍しい6段手動変速機(6MT)も用意した。1.5Lのターボエンジンを積み込み、最大トルクもアップ。公開されたのはプロトタイプだが、とにかく走りを追求したパワフルな設計であるとわかる。

 シビックは初代の発売以来、長らくホンダの世界戦略を担う花形車種だった。しかし、当時と市場環境は異なり、今や日本の主力は軽自動車やミニバン、小型車。ホンダのなかでも室内が広くて燃費がいい「フィット」が販売のボリュームゾーンを占めるようになり、趣味性が強いシビックの国内販売は、2011年にいったん幕を下ろした。

 今、再びシビックを投入する意味は何か。ホンダ自身も爆発的なヒットは求めていない。「台数以上に存在感や個性を際立たせたい」(ホンダ)という。米国ではコンパクトサイズでも、日本で3ナンバーと言えば、乗り回すにはやや大きく感じる。再デビューでどこまでファンの心をつかめるか。復活の成否を占う試金石になる。

タイプRのシフトレバー
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ドイツのニュルブルクリンクでの走行テストでは、前輪駆動車で史上最速となるラップタイムをマークした
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タイプRのハンドルやシートにはエンブレム色である赤がちりばめられている
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(文/日経トレンディ編集部)