この記事は「日経トレンディ」2016年8月号(2016年7月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 “読める”留守番電話サービスをソースネクストが開始した。「スマート留守電」は、留守電に吹き込まれた音声を自動でテキスト化するスマートフォン向けアプリ。一般的な留守電サービスのようにセンターに電話をかけ直す必要がなく、会議中や電車での移動中などでもサッと内容を確認できるのがメリットだ。

 アプリを端末にダウンロードすると、「050」から始まる専用電話番号が発行される。各通信キャリアの転送機能を使ってこの専用番号に転送されるように設定すれば、利用が可能になる仕組みだ。

 肝心の音声認識の精度を確認したところ、通話相手や電波状況によってかなり差が出ることがわかった。ハキハキと話す人の場合はほぼ完璧にテキスト化されるケースが多く、メッセージ中の名前や電話番号などもしっかりと認識できた。一方、早口の人や電波状況が悪くて音声が途切れがちな場合などでは、意味を理解できないケースもあった。音声認識には米ニュアンス・コミュニケーションズ社の技術を採用し、「機械学習機能を盛り込んでいる」(ソースネクスト)という。サービスの利用が増えれば、精度の向上が期待できそうだ。アプリ上で留守電に録音された音声を直接聞くことも可能で、正しくテキスト化されていない場合でも簡単に内容を確認できる。

ソースネクスト「スマート留守電」
月額利用料金/iOS版360円(税込み)、Android版290円(税別)
対応OS/iOS 9以上、Android 4.1以上

電話番号を自動で認識。タップすれば電話をかけられる。音声やテキストは件数無制限に保存可能
電話番号を自動で認識。タップすれば電話をかけられる。音声やテキストは件数無制限に保存可能
指定された専用の電話番号に転送設定をすると、サービスを利用できる
指定された専用の電話番号に転送設定をすると、サービスを利用できる

価格は大手キャリアの留守電オプションと同程度

 登録していない番号からかかってきた場合でも相手がわかるなど、便利機能もある。トビラシステムズの電話番号データベースを参照し、宅配便のドライバーや銀行、店舗など、590万件以上の発信者情報の表示に対応。また、テキスト化されたメッセージはアプリで読める他、指定したメールアドレスに送れ、パソコンでも確認できる。

 月額利用料金はiOS版は税込み360円、アンドロイド版は税別290円と、税込み324円かかる大手キャリアの留守電オプションと同程度。自宅の固定電話や会社のケータイなど、複数の電話をまとめてスマート留守電に転送すれば、それぞれの留守電機能を使わずに済む。

注)大手キャリアの留守電サービスの月額利用料金は、NTTドコモは「留守番電話サービス」、auは「お留守番サービスEX」、ソフトバンクは「留守番電話プラス」を利用した場合のもの

(文/日経トレンディ編集部)

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