あらゆるものがネットにつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」の流れに乗り、カプセル式コーヒーメーカーのパイオニアである「ネスプレッソ」(ネスレネスプレッソ)に、ネット連係モデルが追加された。
4月発売の「プロディジオ」は、本体にブルートゥース機能を搭載し、スマートフォンなどの「ネスプレッソアプリ」と連動する。例えば、本体にカプセルとカップ、水をセットしておけば、アプリからの遠隔操作でコーヒーの抽出が可能。起床時間などに合わせてタイマー予約もできる。
また、あらかじめ買い置きのカプセル数をアプリに記録しておくと、抽出のたびに残数が減り、カプセルのストックが切れる前にアプリから注文可能。ただ、本来ネスプレッソは味わいの異なる23種類のカプセルを適宜そろえておき、気分に応じて飲み分けるのが魅力の一つなのだが、現状では銘柄ごとのストック管理はできない。この点は次の進化に期待したい。
●サイズ・重さ/幅12.5×高さ25.5×奥行き38cm(水タンク後ろ置きの場合)・約2.9kg
●水タンク容量/0.7L
アプリ連動によるアラート機能も魅力
一方、アプリ連動機能で最も有効なのがアラートだ。水タンクの残量が少なくなったり、使用済みカプセルが落ちるコンテナが満杯(最大9個)になった際にアプリで知らせる。さらに、本体メンテナンスのタイミングも通知。本体は6カ月ごと、または600杯抽出ごとに1回以上、専用の湯あか洗浄剤で洗うことが推奨されているが、期間が長いため忘れがち。ここをカバーできるのは魅力だろう。
もちろん、コーヒーマシンとしての実力は折り紙付き。業務用マシンと同等の最大19気圧で抽出することで、滑らかなクレマ(泡)と豊かな香りが生まれる。カプセルには、原産国が単一の“シングルオリジン”の他、デカフェ(カフェインレス)もそろう。ネスプレッソシリーズが税込み1万2960~5万9400円というなかで、プロディジオは同2万4840円。まだアプリ連係機能でこなれていない面はあるが、IoT対応第1弾としては及第点だろう。
(文/日経トレンディ編集部)