この記事は「日経トレンディ」2016年7月号(2016年6月3日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 13年に、当時世界最小となるラジコンヘリ「ナノファルコン」を発売した玩具メーカーのシー・シー・ピー。翌14年にさらに小型の「ピコファルコン」を商品化し、昨年は小型ながらも空撮機能を搭載した「ナノファルコンデジカム」を世に送り出した。

 今年は、活躍の場を空から水中に転じる。4月末に発売された「サブマリナーカメラ」は、ラジコンの潜水艦。幅78mm、奥行き112mmと手のひらに載る小ささでありながら、カメラを搭載し、水中撮影が可能なのが最大の特徴だ。深さ50cmまでの潜水が可能という。

 撮影できるのは、静止画と動画。本体に256MBのメモリーが内蔵されており、120万画素の写真なら約800枚、30万画素の動画なら約5分間の撮影が可能だ。データは、水中から引き上げた後、本体を付属のUSBケーブルでパソコンに接続して再生する。

シー・シー・ピー「サブマリナーカメラ」
実勢価格/9980円(税別)
サイズ・重さ/幅78×高さ65×奥行き112mm・90g(本体)
電池/単3形×2本(本体)
連続使用可能時間/40分
操作可能距離/約2m
潜水深度/約50㎝
撮影可能枚数/静止画800枚(120万画素)、動画約5分間(30万画素)

水中撮影で活躍する「エサ入れアーム」

 水中で撮影する被写体として、まず思い浮かぶのは魚などの生き物。そこで役に立つのが、付属の「エサ入れアーム」だ。ここに魚の餌を入れてカメラの先に取り付けておくと、魚が寄ってくる。カメラに迫ってくる魚を間近に撮影できるというわけだ。

 実際に、金魚が泳ぐ水槽に入れて動かしてみた。まず感じたのが、操作の難しさ。前後左右の動きに加え、上下のコントロールも必要で、しかも水中では思うように方向が定まらない。どうやったら魚にうまく近づけるのか、操作に夢中になった。

 残念だったのは、撮影している映像をリアルタイムで確認できない点。実勢で1万円を切る価格のため、Wi-Fiなどの搭載は難しかったという。映像を見ながら操作できればさらに面白いのは間違いなく、もう少し高い価格でも需要はあるように思える。

 また、潜水艦、魚ともに静止しないため、静止画ではどうしてもぶれた画像になりがち。動画のほうが鑑賞に堪える印象だった。


【2】
【2】
実際に撮影した動画のワンシーン。餌につられてたくさんの金魚が寄ってきた。静止画は被写体ぶれが多かった
操作リモコンの真ん中に静止画と動画それぞれの撮影ボタンが付いている
操作リモコンの真ん中に静止画と動画それぞれの撮影ボタンが付いている

(文/日経トレンディ編集部、写真/高山透)

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