この記事は「日経トレンディ」2016年7月号(2016年6月3日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 例年同様、各キャリアの夏モデルスマートフォンが発表された。なかでも“攻め”の仕様で目を引くのが、サムスン電子の新機種だ。

 「ギャラクシー S7 エッジ」(実質価格6万4800円・税込み)は、5.5型・2560×1440ドットという高精細な大画面が特徴。フルHDを大きく上回る「2K」相当の解像度の有機ELは、特に写真の表示などで威力を実感できる。カメラの性能も非常に高い。

 今回のギャラクシーは、日本市場に懸ける意気込みがかなり強く、それは本体が防水仕様になったことにも表れている。これまでギャラクシーシリーズは、世代や機種により防水への対応がまちまちだった。関係者によると、日本のキャリアなどからの要望が強い後押しとなり、グローバルの旗艦モデルであるこの機種も防水仕様となったようだ。外部メモリー(マイクロSDカード)にも対応するなど、過去の機種の弱点をしっかり克服している点も見逃せない。

サムスン電子「Galaxy S7 edge」
実質価格/6万4800円(税込み)
サイズ・重さ/幅73×高さ151×厚さ7.7mm・158g
画面/5.5型有機EL・2560×1440ドット
カメラ/1220万画素
CPU/Qualcomm Snapdragon 820
内蔵メモリー/RAM4GB、ROM32GB
※価格はNTTドコモの場合

前機種と同様、画面は左右が湾曲している。ホームボタンには指紋センサーを内蔵
前機種と同様、画面は左右が湾曲している。ホームボタンには指紋センサーを内蔵
裏表両面がガラスのデザインは前モデルに似ている
裏表両面がガラスのデザインは前モデルに似ている
5型端末相当のサイズの本体に5.5型画面を搭載。画面左右の枠は非常に狭い
5型端末相当のサイズの本体に5.5型画面を搭載。画面左右の枠は非常に狭い

 迎え撃つソニーの「エクスペリアXパフォーマンス」(予想実質価格4万9000円・税込み)は、やや不利な状況だ。本体のサイズ感はギャラクシー S7 エッジとさほど変わらないが、こちらは5型のフルHD液晶で、前機種のスペックを踏襲。カメラの画素数は多い(2260万画素)ものの、写真の仕上がりの印象では、ギャラクシーと劇的な差は感じられなかった。ソニーならではのオーディオ機能(ノイズキャンセリングなど)は健在で、ギャラクシーより安価。とはいえ、やや決め手を欠く印象は残る。

 気になるのは、エクスペリアで人気の小型モデル(「コンパクト」シリーズ)が、今回はラインアップされていないこと。海外でも未発表であり、投入されるとしても少し先になりそうだ。アンドロイド端末は大型化の傾向が続いており、5型未満の画面が欲しいユーザーはアップル「iPhone SE」、もしくはエクスペリアの旧機種などから選ぶしかない。

ソニー「Xperia X Performance」
予想実質価格/4万9000円(税込み)
サイズ・重さ/幅71×高さ144×厚さ8.6mm・165g
画面/5型液晶・フルHD(1920×1080ドット)
カメラ/2260万画素
CPU/Qualcomm Snapdragon 820
内蔵メモリー/RAM3GB、ROM32GB
※価格はNTTドコモの場合

背面にも金属を採用。その影響で、おサイフ機能のアンテナは本体の表側、画面左上に内蔵している。本体の質感は非常に高い
この夏は富士通(上左写真)やシャープ(上右)の端末も“Xperia風”

(文/日経トレンディ編集部)

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