この記事は「日経トレンディ」2016年6月号(2016年5月2日発売)からの先出し記事です。内容は基本的に発売日時点のものとなります

 スタンプ市場で最大手のシヤチハタが今春、個人向けの新サービス「OSMO(オスモ)」の展開を始めた。これは、利用者の好みに応じて、その場で印面を自在にカスタマイズできる画期的な“スタンプ自販機”。老舗文具店の嶋屋 銀座本店(東京都)、裏磐梯レイクリゾート(福島県)に設置されている他、商業施設や観光地、テーマパークなど、今年度中に全国100カ所に導入する予定だ。

 オスモ用スタンプホルダーのサイズは3種類(税別 500~800円)。利用者はこれを設置店舗で購入し、内部の印面ユニットをオスモ本体にセットする。本体のタッチパネルでは30種類以上のフレームやイラスト、8種類のフォントを駆使して、印面のデザインが可能。操作はプリントシール機のように簡単だ。また、スマートフォン専用サイト「オスモパーク」経由でアップロードした写真をベースにスタンプを作ることもできる。インスタグラムなどで撮りためた写真を活用できるのは魅力だろう。

シヤチハタ「OSMO(オスモ)」
スタンプホルダー種類(印面サイズ・価格)/オスモ1010(10×10mm・税別 500円)オスモ2020(20×20mm・税別 700円)、オスモ2530(25×30㎜、税別800円)
インキ種類/4色
設置場所/バラエティショップ、テーマパーク、水族館、動物園など

オスモで作製したスタンプ。浸透印で約3000回押すことができる
オスモで作製したスタンプ。浸透印で約3000回押すことができる
【1】
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スマホ専用サイトに自分の写真をアップロード後、受け付け番号を本体に入力する
【2】
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印面ユニットをオスモ本体にセット
【3】
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20~40秒で完成
【4】
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印面ユニットをホルダーに装着

写真の雰囲気を残した味のあるスタンプに

 サイズによって仕上がり時間は異なるが、20~40秒ほどと早い。レーザーで彫る通常のスタンプと異なり、オスモはデザインした絵柄部分だけインキが出るよう印面フィルムを加工する仕組み。試しに飼い犬の写真で作ってみると、黒色部分は潰れてしまうが、写真の雰囲気を十分に残した味のあるスタンプになった。白飛びの多い写真や夜景以外なら、満足できる仕上がりが得られるだろう。また、このスタンプはインキの補充ができないものの、約3000回も押せるので長く楽しめる。

 シヤチハタは、オスモの設置場所に合わせた独自のフレームやイラストを用意する計画。「コンサート会場で限定スタンプを作れるようにしたり、外国人観光客向けに名前の当て字(漢字)を選べるようにするなど、柔軟に対応していきたい」(マーケティング部の富永浩稔部長)という。各所の独自スタンプを集めるのも面白そうだ。

犬の写真をベースに、ポジフィルム風のフレームや名前をあしらい、スタンプを作ってみた。期待していた以上の再現性の高さで納得の仕上がり
犬の写真をベースに、ポジフィルム風のフレームや名前をあしらい、スタンプを作ってみた。期待していた以上の再現性の高さで納得の仕上がり
タッチパネルで操作は簡単。文字を書いたり、絵柄の配置を変えたりできる
タッチパネルで操作は簡単。文字を書いたり、絵柄の配置を変えたりできる

(文/日経トレンディ編集部)

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