この記事は「日経トレンディ」2016年5月号(2016年4月4日発売)からの先出し記事です。内容は基本的に発売日時点のものとなります

 コーヒー豆の生産地を厳選し、焙煎やいれ方に工夫を凝らす“サードウエーブコーヒー”。その次の動きとして、米国でコールドブリューコーヒーが脚光を浴びている。要は水出しコーヒーのことなのだが、米国では昨年頃からサードウエーブの有名店をはじめ大手のスターバックスコーヒーまでが、こぞってメニューに加えている。

 コールドブリューコーヒーの売りは、湯でいれるドリップコーヒーよりも雑味が少なく、豆本来の味を生かせること。また、抽出後に氷で冷やすアイスコーヒーよりも自然な香りが残る。コーヒーの味わいを追求するサードウエーブの“終着点”ともいえる、古くて新しいコーヒーの楽しみ方だ。

米国では有名ショップの缶入りコールドブリューコーヒーが人気を博している
米国では有名ショップの缶入りコールドブリューコーヒーが人気を博している

クラウドファンディングから商品化

 そのコールドブリューコーヒーを家庭で手軽に楽しめる器具が、「コールドブルーアー」(税込み1万6740円)。米国のクラウドファンディングサイト「キックスターター」で3000人以上の支援を集め、商品化された。

 コールドブルーアーは、数千円で買える従来の器具とは異なり、ドリップ速度の調節バルブを備え、およそ3~12時間の範囲で抽出時間を設定できる。また、網目状の金属フィルターで微粉の通過を防ぐことで、より雑味を抑える仕様。コーヒーの抽出後は、シリコーン製の蓋で密閉して冷蔵庫で保存すれば、コーヒーのおいしさを数日間維持できるのも特徴だ。

 抽出方法は至ってシンプルで、1回で最大4杯分のコーヒーを作れる。中びきのコーヒー豆60gを入れ、付属のペーパーフィルターを載せて軽く湿らせる。こうすることで、バルブから1滴ずつ落ちる水が豆に満遍なく行き渡る。実際に12時間かけてじっくり抽出すると、濃厚で香ばしいコーヒーに仕上がり、ミルクとの相性も抜群。一方、最短の3時間で抽出した場合は少し浅めで、ブラックで飲むのに適していた。夜に氷水をセットしておけば、翌朝には香り高いアイスコーヒーができているので、この春以降、活躍しそうだ。

ブルーアー「コールドブルーアー」
実勢価格/1万6740円(税込み)
サイズ/高さ約25.5×直径約11.8cm
ドリップ時間/3~12時間程度で調節可能
抽出量/1回最大約4杯分

コーヒー豆を金属フィルターの上にセット。豆は中びき、中煎りが適する
コーヒー豆を金属フィルターの上にセット。豆は中びき、中煎りが適する
豆を入れた容器に調節弁付きの蓋をかぶせて水を注ぐだけ
豆を入れた容器に調節弁付きの蓋をかぶせて水を注ぐだけ
バルブを回して抽出速度を調節。抽出時間が長いほど濃厚な味わいに
バルブを回して抽出速度を調節。抽出時間が長いほど濃厚な味わいに
ほったらかしでよいため、野外でも活躍
ほったらかしでよいため、野外でも活躍

(文/日経トレンディ編集部)

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