コーヒー豆の生産地を厳選し、焙煎やいれ方に工夫を凝らす“サードウエーブコーヒー”。その次の動きとして、米国でコールドブリューコーヒーが脚光を浴びている。要は水出しコーヒーのことなのだが、米国では昨年頃からサードウエーブの有名店をはじめ大手のスターバックスコーヒーまでが、こぞってメニューに加えている。
コールドブリューコーヒーの売りは、湯でいれるドリップコーヒーよりも雑味が少なく、豆本来の味を生かせること。また、抽出後に氷で冷やすアイスコーヒーよりも自然な香りが残る。コーヒーの味わいを追求するサードウエーブの“終着点”ともいえる、古くて新しいコーヒーの楽しみ方だ。
クラウドファンディングから商品化
そのコールドブリューコーヒーを家庭で手軽に楽しめる器具が、「コールドブルーアー」(税込み1万6740円)。米国のクラウドファンディングサイト「キックスターター」で3000人以上の支援を集め、商品化された。
コールドブルーアーは、数千円で買える従来の器具とは異なり、ドリップ速度の調節バルブを備え、およそ3~12時間の範囲で抽出時間を設定できる。また、網目状の金属フィルターで微粉の通過を防ぐことで、より雑味を抑える仕様。コーヒーの抽出後は、シリコーン製の蓋で密閉して冷蔵庫で保存すれば、コーヒーのおいしさを数日間維持できるのも特徴だ。
抽出方法は至ってシンプルで、1回で最大4杯分のコーヒーを作れる。中びきのコーヒー豆60gを入れ、付属のペーパーフィルターを載せて軽く湿らせる。こうすることで、バルブから1滴ずつ落ちる水が豆に満遍なく行き渡る。実際に12時間かけてじっくり抽出すると、濃厚で香ばしいコーヒーに仕上がり、ミルクとの相性も抜群。一方、最短の3時間で抽出した場合は少し浅めで、ブラックで飲むのに適していた。夜に氷水をセットしておけば、翌朝には香り高いアイスコーヒーができているので、この春以降、活躍しそうだ。
●サイズ/高さ約25.5×直径約11.8cm
●ドリップ時間/3~12時間程度で調節可能
●抽出量/1回最大約4杯分
(文/日経トレンディ編集部)