この記事は「日経トレンディ」2016年5月号(2016年4月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 手持ちのスピーカーがブルートゥースなどに非対応でも、約5000円(税込み)の機器を買い足すだけで、スマートフォンからワイヤレスで音楽を鳴らせる。「クロームキャスト オーディオ」はそんな製品だ。ヒット商品「クロームキャスト」は、スマホで再生した動画をテレビ画面に映すものだったが、これはその音声版となる。

 本製品を家庭のWi-Fiネットワークに接続すれば、同じWi-Fiにつながったスマホやパソコンからの音声を再生できる。スピーカーやアンプとの接続は、AUXとも呼ばれる35mmのLINE入力、RCA入力、光デジタル入力の3種類に対応。後者2つは別売りケーブルが必要だが、発売時期が古いものも含めて幅広いスピーカーで利用できる。

 なお、クロームキャスト オーディオで再生できるのは、インターネット経由のストリーミングサービスのみ。実は本製品は、スマホ端末で再生された音楽を受信しているのではない。単体でインターネットにアクセスし、ストリーミングサービスから音楽を再生する仕組みなのだ。

Google「Chromecast Audio」
実勢価格/4978円(税込み)
サイズ・重さ/51.9×51.9×13.49mm・30.7g
端子/3.5mmジャック、マイクロUSB(電源用)
対応OS/Android 4.1以降、iOS 7.0以降、Windows 7以降、MacOS X 10.7以降
Wi-Fi/11ac

円盤状の本体。出力ケーブルは、AUX入力に対応するタイプが付属する
円盤状の本体。出力ケーブルは、AUX入力に対応するタイプが付属する
AUX入力(左写真)だけでなく、ケーブルを変えればRCA入力(右写真)などにも対応。他にACアダプターからの電源供給も必要

スマホを持った人が外出しても音楽は止まらない

 スマホで「Google Play Music」などの対応アプリを立ち上げ、プレーリストを再生しながら「キャスト」ボタンを押すと、そのプレーリストの音楽がスピーカーから鳴り始める。一度再生が始まれば、そのスマホを持った人が外出しても、スピーカーの音楽は止まらない。次にスマホが必要になるのは、再生するプレーリストの変更など新たな指示を出すときだ。ブルートゥース接続と異なり、音楽再生中に電話の着信があっても、着信音がスピーカーから鳴ることはない。

 対応サービスはまだ少なく、日本の利用者が多いものはGoogle Play Musicや「AWA」「うたパス」など僅か。とはいえ、手持ちのスピーカーを生かした新たな提案型商品として注目できる。

対応アプリから本製品へ「キャスト」を指示するとスピーカーから音楽が鳴り始める
対応アプリから本製品へ「キャスト」を指示するとスピーカーから音楽が鳴り始める
日本人向けの対応サービスはまだ少ない
日本人向けの対応サービスはまだ少ない
WindowsパソコンやMacからはChromeブラウザーで利用可能。拡張機能をインストールすると使えるようになる
WindowsパソコンやMacからはChromeブラウザーで利用可能。拡張機能をインストールすると使えるようになる

(文/日経トレンディ編集部)

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