ソニーの「HUIS REMOTE CONTROLLER」は、“ボタンのない”新機軸の学習リモコン。テレビやレコーダー、照明、エアコンなど、さまざまな機器を1台で操れる。同社のクラウドファンディングサイトで一般からの出資を募って開発されたもので、2月に一般販売が始まった。
物理的なボタンの代わりに、電子ペーパーとタッチ画面を組み合わせているのが最大の特徴だ。それぞれの機器に適した操作画面が表示され、タッチして操作できる。
使うにはまず、機器登録が必要になる。本体にはソニーの他、パナソニックやシャープ、ダイキンなど多数のメーカーのリモコン情報を保存。機器の種類とメーカーを選べばすぐに使える。データベースに情報がない場合は、信号を学習させることも可能だ。
電子ペーパーの利点は、通電していなくても表示画面を保持できること。HUISはしばらく操作しないと消費電力を抑えるために休止状態になるが、キーは画面に表示され続け、利用時に手に持ったりタッチしたりすると、加速度センサーが検知して操作が可能になる。実際、休止状態からの復帰は速く、ストレスなく使えた。
●サイズ・重さ/幅68×高さ123×最厚部24mm・130g
●バッテリー容量(持続時間)/1500mAh(約1カ月)
自分専用のリモコンが作れる
さらに、HUISの真骨頂が、複数の機器のリモコンからよく使うボタンだけを集めて“自分専用のリモコン”が作れることだ。登録した機器から必要なパーツを選べば、画面を移動せずに複数の機器を操れる。今後提供される予定のパソコンソフトを使うことで、ボタンのサイズや配置の変更なども自在にできるようになる。
使える通信方式は現状では赤外線のみだが、実はブルートゥース機能もすでに内蔵する。将来的には、アップデートでブルートゥース通信も開放される予定。価格は高いが、通信機能を備えたIoT家電が増えるなか、家中の機器を操る“ハブ”としても活用できるのは魅力だ。
(文/日経トレンディ編集部)