スマホのカメラ機能を使えば、偶然巡り会ったきれいな風景や花などを簡単に写真に収められる。だが、たまたま目にした光景を写す“記録”ではなく、自分の頭の中で思い描いたイメージを写真に表現する“作品づくり”においては、イメージを反映しづらいスマホのカメラでは力不足だ。そこで利用したいのが、さまざまな撮影設定が柔軟に変更できるデジタル一眼レフカメラ。光を自在に操れる一眼レフのメリットを存分に生かせば、イメージ通りの作品に近づけることができるはずだ。

 スマホのカメラ機能の進化は目覚ましく、僕も日ごろのスナップなどさまざまな場面で使っている。だが、スマホだけで出かけることはほとんどなく、プライベートで外出するときも何らかのカメラを持っていく。その場合、デジタル一眼レフを選択することが多いのだが、それにはいくつかの理由がある。目的に合わせてさまざまなレンズに交換できることはもちろん、光を豊かに受け止められる大型センサーのおかげでトーンや色を美しく表現でき、暗いところでもノイズの少ない写真が撮れることがまず挙げられる。センサーが大きいほど、ボケの大きな写真が撮れるメリットも捨てがたい。

 それ以上に僕が評価しているのが、カメラの設定を操ることで狙いを持った作品が撮れる点だ。デジカメの色味を左右するホワイトバランスや露出をカメラ任せではなく撮影者が手動で変えてみれば、自分がイメージした通りの仕上がりで撮りやすくなる。光を自分で操り、光で遊ぶことで、理想の作品に近づいていくわけだ。

 もっとも、レンズを通過した像を直接のぞく一眼レフの光学ファインダーでは、明るさや色味を変更してもファインダーには反映されず、ボケ味も実際の写りと異なる。撮影者は、それを頭の中でシミュレーションしながら撮影しなければならない。この点は、入門者にとってハードルの高い一眼レフの欠点といえる。

 だが、センサーがキャッチした映像を背面液晶に表示しながら撮影できるライブビューを使えば、一眼レフでも露出補正時の明るさの変化や、ホワイトバランス変更時の色合いの変化など、仕上がりを背面液晶で確認しながら撮影できる。ライブビューのオートフォーカスが高速化された「EOS 80D」などの最新一眼レフならば、ライブビュー撮影特有のストレスもなくテンポよく撮り進められるだろう。

幻想的な1枚だが、実は道端に置かれたプランター。ホワイトバランスを「白熱電球」に設定し、実売価格1万4000円のお買い得な単焦点レンズ「EF50mm F1.8 STM」でぐっと近寄って撮ってみた(EOS 80D使用、EF50mm F1.8 STM、1/200秒、F1.8、ISO200)
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空や海をオートホワイトバランスで撮影すると、肉眼よりやや青みが足りなくなりがち。そこで、ホワイトバランスを「白色蛍光灯」にして撮影。露出をアンダー気味にして、鮮やかでこってりした色味を狙った(EOS 80D使用、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM・焦点距離132mmで撮影、1/2000秒、F11、ISO100)
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西日を浴びた商店街。ふと上を見上げると、屋根に一匹の猫…のオブジェが。ホワイトバランスを「くもり」にして赤みをプラスし、夕方の空気感を再現してみた(EOS 80D使用、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM・焦点距離113mmで撮影、1/2000秒、F11、ISO100)
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ライブビューのAFも高速化、作品づくりに向くキヤノンの中級機「EOS 80D」

 露出補正やホワイトバランスなど撮影設定を手早く変更するには、操作性のよいダイヤルやボタンを搭載した高性能デジタル一眼レフを使うのがベスト。そこで今回は、キヤノンが3月25日に発売したばかりの最新モデル「EOS 80D」を用いた。EOS DIGITALの中級機ならではの大型サブコマンドダイヤルを搭載し、操作性も満足できる。像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」によりライブビュー時のAFを高速化したほか、超音波モーター(ナノUSM)搭載で静かで高速なピント合わせができる新しい高倍率ズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」が付属するキットモデル「EF-S18-135 IS USM レンズキット」を用意するのも魅力だ。視野率約100%の光学ファインダーやオールクロス45点AFなど、一眼レフならではの基本性能をしっかり高めた点も注目できる。

3月25日に発売したキヤノンの「EOS 80D」。実売価格は、ボディー単体モデルが12万5000円前後、EF-S18-55 IS STM レンズキットが13万3000円前後、ダブルズームキットが16万6000円前後、EF-S18-135 IS USM レンズキットが17万円前後
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