スクール水着を大人が着る。そんな新しい市場がネット販売でじわじわと広がっている。学校色と呼ばれる濃紺や黒でヒラヒラのスカートが付いたワンピース水着を、20~30代の女性が着るのだ。この新市場を創出したのは、学校用水泳用品トップシェアのフットマーク。その「足あとのロゴマーク」には読者も見覚えがあるかもしれない。同社は「スクール水着自由化」の流れを背景に、ファッション水着のようなかわいさを盛り込んだ「かわいいスクール水着シリーズ」企画を3年前にスタートさせた。そして今年4月、第4弾となる新作を発売したのだが、同社の姿勢には、前3作とは大きく異なる点がある。

 それは販売のターゲットだ。大人の女性にターゲットを絞り、「大人の女性のためのスクール水着」とうたう商品を、トライアルと位置付けながらも、同シリーズで初めて打ち出したのだ。「“オトナも”着るスク水」から「“オトナが”着るスク水」への挑戦が始まった。いったいどういう戦略なのか?

「“オトナも”着るスク水」から「“オトナが”着るスク水」への挑戦

 フットマークの「かわいいスクール水着シリーズ」は、“これまでにないスクール水着”の開発に注力する同社が、「学校色(濃紺・黒)なのにかわいい」を目指す進取のシリーズ。本連載では、2013年発売の第1弾から取材を重ねている。もともとはスクール水着本来の対象である小学生~女子中高生をターゲットにした企画なのだが、第2弾(2014年発売)のパンツ付きのころから徐々に大人の女性の購入が目立ち、特に第3弾(2015年発売)で大人の需要が拡大した。

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かわいいスクール水着の第2弾(2014年発売)。右写真は背面。「腰まわりをかわいく隠すスカートに、太ももを隠すパンツをはかせた」のが最強のポイント。さらにパンツの股下部分が着用時に安心感をもたらす(画像提供:フットマーク)
かわいいスクール水着の第3弾(2015年発売)。肌の露出を抑え、洋服みたいに気軽に着られる感覚を重視。業界初の襟付きで大人の需要拡大を狙った。ユーザーからは「コスプレっぽい」との声も上がったそう(画像提供:フットマーク)
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 なぜ、大のオトナがスクール水着を着るのか? 一体“スク水”着用のどこにメリットがあるのか? その疑問をぶつけ徹底的に探ったのが「オトナの女性がスクール水着を指名買い、あえて“スク水”を選ぶ3つの理由」である。ぜひご覧いただきたい。

 それでも2015年までは、あくまで女子中高生がメインターゲット。それにプラスして大学生やOLなどの“オトナも”着るスクール水着を目指す、との位置付けだった。ところが今年の新作は違う。ターゲットを大人の女性に絞った、という。なぜ本来の主戦場である生徒マーケットを販売対象から外したのか?