じゅうたんを敷きつめた車内には、木製のパーティションで一部仕切られた個室風のひろびろとした座席が並ぶ。夜行バス「マイ・フローラ」の乗客は靴を脱いでスリッパに履き替え、居間で過ごすようにくつろぐ。靴を脱ぐのは乗客ばかりではない。実は運転手も「靴を履かずに」ハンドルを握っているのだ。一体なぜ?

「“乗り鉄のバス版”のようなマニアがSNSを通じて広めてくれた」という海部観光(徳島県海部郡)の異色の夜行バス「マイ・フローラ」。2011年に大型高速バスで国内初の2列シート、最少の12席を実現し、徳島と東京を毎日結ぶ。“バスらしくない”個室感とゆったり感が最大の魅力(画像提供:海部観光)
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※本記事は、第1回の「『若い人でないと無理』を克服 わずか12席の夜行バス」の続きです。ぜひあわせてご覧ください。

床下のトランクを改造した運転手用の仮眠室

 徳島県を拠点に、徳島-東京を毎日結ぶ海部観光のオリジナル車両「マイ・フローラ」は、わずか12席。大型高速バスの常識を打ち破る、その画期的な“バスらしくない”内装は前回の記事でご覧いただいた通りだ。

 「ほかのバスとの違い」の説明を受けながら一番奥の化粧室まで見終わると、乗務員リーダーの和田 護さんが「床下には乗務員用の仮眠室もあるんです。フルフラットの状態で横になれるんですよ!」というので、「じゃあ、見せていただいてもいいですか!」と膝を乗り出し、普通は目にできない楽屋裏を見せてもらった。

 通常、大型バスの床下には2m四方ほどの何もないスペースが荷物置き場として2区画あり、その1区画分を改造したという。もう1人の乗務員と2~3時間ごとに運転を交代し、ここで仮眠をとる。

マイ・フローラ号の車両床下にある運転手用の仮眠室。走行位置を示すモニター画面も備える
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■変更履歴
乗務員の仮眠スペースの記述で分かりにくい部分がありましたので、表現を修正しました。該当箇所は修正済みです。[2016/4/28 14:30]