手書き機能は素晴らしい

 今回の新iPadの一番のポイントが、Apple Pencilによる手書きに対応したことだ。はっきり言って、使い勝手はiPad Proと変わらない。

 あえていうなら、ここでもダイレクトボンディングではないことがマイナスな印象ではある。iPad Proに慣れていると、ペン先と文字の間にわずかな視差を感じるからだ。コーティングが違うせいか、ごくわずかながらiPad Proのほうがペンの滑りがよく感じる。だが、iPad Proを使っていない人には分からない細かな差だと思うし、ディスプレーの保護フィルターを貼ってしまえば、あまり関係ない話だ。

Apple Pencilによる手書きは、新iPadでも快適
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 スペックの差もほとんど問題にならない。新iPadのCPUは、A10、iPad Proはより性能が高いA10Xで、ベンチマークでは、2~3割の差があった。だが、しばらく使ってみても、速度差はまず体感できない。横に並べて、処理の負荷が高いゲームをプレーするなどしない限り、ほとんど分からないはずだ。これは、両者とも必要な性能を満たしているから。複数のアプリを同時に使用するマルチタスクもテキパキと快適に動作した。

価格でiPad Proをあきらめた人には超お薦め

 ここまでいろいろと比較してきたが、こんな比較はあくまでも興味本位。新iPadは第5世代のiPadと比べると、性能がアップし、Apple Pencilにも対応している。これからiPadを買おうとしている人の7割は新iPadが適していると思う。

 なお、新iPadは安い分、Apple Pencilは高いと感じる人もいるかもしれない。特に、3万7800円のモデルを買った人にとって、1万800円のApple Pencilはかなり高く感じるだろう。だが、そこは思い切ってApple Pencilを使ってほしい。手書きの快適さは使ってみなければ実感できない。電子文具的に楽しく使えて、非常に役立つはずだ。

 この新iPadの登場で、いまいち元気のないタブレット市場が盛り上がってほしい。教育機関で使われるのはもちろん、ビジネスでも手書きがより広く使われるようになることを期待している。

著者

戸田 覚(とだ さとる)

1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。近著に、『ここで差がつく! 仕事がデキる人の最速パソコン仕事術』(インプレス)がある。
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