石油ファンヒーターは、登場から30年以上経過しているロングセラー製品だ。10年連続販売台数シェアトップのダイニチ工業に取材したところ、2016年には200万台以上売れており、今も石油ファンヒーターを使用する世帯では、複数台を所有するところも珍しくないという。しかし、石油ファンヒーターは、機能的にあまり変わっていないようにも見える。そこで、“石井さんの奥さん”こと、家電ライターの石井和美氏が最新の石油ファンヒーターを自宅で使用し、その実力を検証した。

40秒で着火、点火・消火時のニオイを抑える

 実家では3台の石油ファンヒーターを今も愛用しており、年末年始に帰省すると、まずは灯油をタンクに入れるのが私の恒例の役割だ。都心のマンションなどで使うことは減少しているかもしれないが、地方ではまだ使っている家庭が多く、ホームセンターでもこの時期になると石油ファンヒーターがずらりと並ぶ。実家の石油ファンヒーターはかなり古く、安全面などを考えるとそろそろ買い換えたいと思っていたので、最新の石油ファンヒーターに興味があったのだ。

 今回、試したのはダイニチ工業のフラグシップモデルであるSDRシリーズだ。その中から木造10畳まで対応するFW-3717SDRを選んだ。給油タンクの容量は9リットルとかなり大きめで、満タンにすれば大火力で25時間、小火力なら125時間も使用できるという。

 驚いたのは、デザインだ。想像していたような定番の茶色っぽい石油ファンヒーターではなく、スタイリッシュなツートンカラーで、洋室に置いても違和感がない。カラーはコズミックブルー、スノーホワイト、オータムレッドの3種類があり、今回はスノーホワイトにしたが、古くささはなく、リビングでなじんでいる。

ダイニチ工業の石油ファンヒーター「FW-3717SDR」(実勢価格3万5000円前後)
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裏側
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 石油ファンヒーターの場合、着火まで80~150秒ほどかかるものが主流だが、SDRシリーズは着火のスピードが速く、40秒で着火する。寒い日は一刻も早く部屋を暖めてほしいものだが、40秒であればストレスは感じない。エアコンも運転直後はすぐに風が出てこないうえ、送風口が上にあり、部屋全体はなかなか暖まらないが、石油ファンヒーターなら、寒いときには目の前に行って温風を体に当てられるのがいい。

 また、好みの温度に設定した上でセーブできる「ecoおまかせモードプラス」を搭載。長時間、部屋に人がいない場合は、センサーがチェックして燃焼量を弱めたり、停止したりするなど、灯油のムダ使いを減らす機能を備えている。

 ダイニチ工業の石油ファンヒーターには以前から「秒速消臭システムプレミアム」が搭載されており、消化時のニオイが少ないことも特徴だ。気化した灯油の噴出口をきっちりふさいで未燃焼ガスを瞬時に遮断するので、ニオイが残りにくいという。

 実際に消してみたが、実家の石油ファンヒーターと比較すると、ニオイはかなり軽減されている。全くニオわないわけではないが、「臭い!」というほどではなく、ストレスは感じなかった。

 なお、空気と混合されたガスを燃焼筒で燃やす「ブンゼン式」を採用しているので、消費電力は大火力時が129W、小火力時は22Wと高めだ。使い方にもよるが、灯油代のほかに1日8時間の使用で、月間600円前後の電気代がかかる。