これまでは主にどんな製品を担当されていたのですか?
また、UPのデザインにはどんな思いで関わっていらっしゃいましたか?

入社から24年間一貫して、一眼レフやコンパクトカメラ、
双眼鏡や顕微鏡などのデザインに携わってきました。
ユーザーのニーズをくむのが前提ではありますが、
自分でも使ってみたくなるような、
そして身近な人にもすすめたくなるような、
デザインづくりを常に心がけています。

UPのプロジェクトが発足したときは、
「大丈夫なんだろうか」と不安になったことは確かです。
ウェアラブルビューアーは他社でも過去にリリースしたことがありましたが、
なかなか一般に浸透しませんでしたから。
しかし、未知の世界に一歩を踏み出せるうれしさのほうが大きかったですね。

デザインチームによる打ち合わせでは、かなり自由な意見を戦わせました。
何パターンも試作品を作り、楽しみながら練り上げることができたと思います。
打ち合わせを終えてデスクに戻ったときは、
「ああ今、自由で新しいものを作っているんだ」
とジワジワと誇らしさが込み上げてきたのを覚えています。

デザイン面で苦労された点はどこでしたか?

ヘッドフォンとして持ち歩くのに抵抗のない大きさにしたかったので、
どこまで小さくできるかにこだわりましたね。
ヘッドフォンを装着した頭を正面から見た時、
耳に当たっているイヤーパットの幅が横に広ければ広いほど、
こっけいな感じが生まれるんです。
ですから、もっともシャープに見え、
かつ耳にフィットするサイズをミリ単位で探そうと、
それこそ研究室の壁一面の棚が埋まるくらいのヘッドフォンを
買い集め研究を重ねました。

小ささにこだわって音質を落としては本末転倒ですので、
スピーカーは、このサイズでは最上クラスのものを装備しています。
装着時の安定感も抜群ですのでヘッドフォン単体としても、
自信をもっておすすめできますね。

また、当初はシルバーとグリーンを基調としたものを検討していました。
シルバーですととにかく目を引きますので、先進性が前に出るだろう、と。
ところが、そうすると日常生活にうまく溶け込んで欲しいという願いとの
齟齬がでてきてしまうんですね。
それで、膨張して見えない色ということもあり、
黒をベースとしたカラーリングに落ち着きました。

先進性を大切にしながらも、上品でシンプルなデザインを目指しましたので、
ラフなスタイルにはもちろん、ビジネスマンのスーツ姿にも
違和感なく合わせられると思います。

ヘッドフォンの延長としておもちゃ感覚で気軽につかっていただくのもいいですし、
情報を取りに行くツールとして積極的に活用していただくのもうれしいですね。

注目と期待を集めている製品だと感じていますので、
ユーザーの方々に参加していただきながら成長できたら、と思っています。

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