Best for 2009

2009ヒット商品ランキング第8位「ポメラ」 ヒットの秘訣は、ブレないコンセプト

インターネットもメールもできず、携帯電話機能もカメラ機能もカラー画面もない。「メモを取ることしかできない」ポメラの快進撃は世間でも大きな話題となった。なぜ売れたのか? ユーザーはどこに惹かれたのか? そして、次なる展開は? 開発担当者の立石氏に、ポメラの現在と未来を伺ってみた。

文具メーカーだからこそコンセプトを形にできた
 「ありがとうございます。素直にうれしいですし、ユーザーの皆さんに感謝するばかりです。ポメラはもともと、私が思い描く“理想のメモ機”を具現化したもの。既存のPCから不要な機能をマイナスする発想ではなく、私が欲しい、必要だと信じる機能と性能だけをシンプルにまとめたんです」
 8位ランクインの祝福に満面の笑顔で応えてくれたのは、ポメラの生みの親、キングジム電子文具開発部の立石氏。自分が一番のターゲットなどというニッチ中のニッチ市場に新規開発製品を投入する決断力は、キングジムが文具メーカーだということに関係があったのだろうか。
「そうかもしれません。というのも、文具はもともとシンプルな道具ですから。ノートは書くだけ、ファイルは綴じるだけ。ポメラのコンセプトもその延長線上にあるんです。
 そしてもっとも幸いだったのは、“シンプルに単機能”という当初のコンセプトを会社が大切に守ってくれたこと。せっかくだからアレもコレも入れろ、という話が出たことは一度もありませんでした。コンセプトに共感し、真剣に欲しい使いたいと願うユーザーが一人でもいれば、そこに必ず市場がある。だからそのまま作れ、と後押ししてくれたのは本当にありがたかったです」
 一人でも多くの人にアピールしようと八方美人に陥ることなく、欲しい人のためだけのモノ作りが、かえって多くの人々の共感を生んだというわけだ。



ユーザーから大量に届いたクレームとは違う“提案”
 コンセプトが明確、かつ蛇足がないポメラを選んだ人の多くは、まさに立石氏とのシンクロ率が高い“共鳴者”。初号機の発売以来、ユーザーからはクレームではない“要望”や“提案”が大量に届いたという。
「プロの文筆家や熱心なブロガーなど、文章を書くことが生活の一部となっている方からも予想以上に大きなご支持をいただき感激しきりです。なるほど、と目が覚めるようなご提案も多く、この度ご期待にお応えできる新機種をリリースする運びとなりました」
 “プレミアム”ポメラは、立石氏曰く「コンセプトを堅持しながら要望のほとんどにお応えするモデル」と胸を張る自信作。「二代目ではなく2台目」(立石氏)との言葉通り、初号機をスタンダード、新型をプレミアムと定義。つまり、必要度に合わせて使い分け、選び分けができるということだ。
 高級感がグッと増したボディーは、微妙に厚くなった程度で携帯しやすさはほぼ同等。自慢の打ちやすいキーボードサイズも変わっていない。しかし液晶画面は4インチから5インチへと一気に大型化。それでも単4アルカリ電池2本で20時間の長時間駆動を確保している。
「機能面は本当に頑張りました。本体メモリを128KBから89MBへと一気に増やし、1ファイルあたりの文字数を8000文字から2万8000文字へ保管可能なファイル数を6から1000に拡大しています」
 ビジネス資料や論文、小説などのテキストを分割せず大量に持ち運べるようになったのは、実にありがたい。さらに5階層のフォルダ機能も採用。日付や名前での検索機能も盛り込んだ。
「長文を書くプロの方にも手足のように使っていただけるよう、辞書登録数を1000語に拡大。改行位置の指定もできるようにしました。あと、通信機能は搭載していませんが、テキストをQRコードに変換する機能をつけました。このQRコードをケータイで読み取ればメールでの送信やブログ更新も可能なんです。その他にも新採用の機能は数え切れないほど豊富です。これがあったらうれしいのに、という機能はほぼ網羅できたと自負しています」
 ユーザーの理想にますます近づき、さらなるヒットの予感を感じられるポメラ。来年の本企画でも大活躍してくれそうな完成度の高さをぜひ体感してほしい。


さらなる高みへ、プレミアムポメラ
編集機能の強化やファイル機能の改良など、熱心なポメラユーザーからの要望をできる限り採り入れた、プレミアム仕様のポメラ。5インチ液晶の採用やメモリの大幅増強にも関わらず、電池寿命は20時間を確保。3万4650円。

 

株式会社キングジム 開発本部 電子文具開発部 開発課 立石幸士さん

「ユーザーの方と一緒に作った
“プレミアム”ポメラです」

株式会社キングジム開発本部 電子文具開発部 開発二課リーダーの立石幸士氏。ポメラの生みの親として、ユーザーとの積極的な交流を大切にしているという。


ユーザーの声に応えて 進化したプレミアムモデル


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テキスト内容をQRコードに変換し携帯電話で読み取る発想は見事。


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自動改行設定や文字情報表示など長文入力に役立つ機能を搭載。


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トップパネルには、プレミアム感を演出するレザー調を採用。pomeraのロゴもさりげなくあしらっている。


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好評の17mmピッチ折りたたみキーボードはブラックに色替え。キーの反応もタッチも良好。


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初号機の4インチから5インチへと拡大されたモノクロVGA液晶。文字サイズも7段階を用意。


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大きく豪華になった印象はあっても、縦横の長さは初号機と同じで、厚みが3mm増えただけ。


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着せ替え可能なトップパネルは全3色を用意。キャンバスに見立ててのデザイン自作も面白い。


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単4アルカリ乾電池に加え充電池“エネループ”にも正式対応。省エネ性の追求にも余念がない。

協力/株式会社キングジム お問い合わせ先/お客様相談室 フリーダイヤル0120-79-8107 http://www.kingjim.co.jp/pomera/

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