そのテレビ、正しく表示されていますか?

 ビデオ編集の作業中、モニターとしてテレビを接続している読者もいるのではないだろうか。映像出力端子があるパソコンや編集システムなら、パソコンのモニター上でなく、テレビに接続して編集作業を進めた方が作業しやすい。もちろん編集作業中だけではなく、完成したビデオを視聴したり、撮影したビデオをチェックするのもテレビが必要だ。でも、そのテレビの表示は正しいのだろうか?

 たいがいのテレビは画質切り替え、または調整ができるようになっている。プリセットでは、「標準モード」「ダイナミックモード(より派手に見えるモード)」「映画モード(リビングなどで見る落ち着いた雰囲気のモード)」といったモードの切り替えができる。多くの家庭では、工場出荷状態である標準画質で視聴していることだろう。でもこれ、パッと見でキレイに見えるように輝度やコントラスト、彩度が高く設定されているのだ。

 派手に見えるモードは誰が見ても派手なのだが、標準でもかなり派手な設定になっているといえる。例えば、塩分の多い料理がおいしく感じるように、派手な描写はパッと見でキレイに見える(ように感じる)。しかし、輝度やコントラスト、彩度が高いということは、長時間見ていると目が疲れてしまう要因にもなりかねない。

 「テレビは1時間まで」と子供のころ言われたように、または子供に言い聞かせているように、1時間も見続けていると目が疲れてしまうのだ。食事をしながらとか、ほかのことをしながらチラチラと見ている分にはまだいいのだが、編集作業やプレビューなどでじっくりと見ていると目の疲労がたまる。それ以前に、正しい画質で見ることができていない。

 テレビで映画を見る場合、リビングモードとか、映画モードのような設定に変えていないだろうか。映画を見る場合は画面を凝視するので、目に優しい設定でなくてはならない。だから、そのような場合は落ち着いた画質に設定されている。ビデオ編集の場合もこれに近い設定が必要となる。

 では、どうやって設定するのかというと、テレビの画質調整メニューから合わせる。ビックリすることに、一般家庭ではテレビの画質調整メニューすら出したことがないという人が意外と多いらしい。画質調整では、輝度、コントラスト、彩度、色合い、シャープネスといった項目の調整ができる。では、何を基準に合わせるかというと、これがまた難しい。業務用モニターの場合はカラーバーを表示して合わせるのだが、「ブルーオンリー」というモードで簡単に調整できるようになっている。

 しかし家庭用のテレビにはこの「ブルーオンリー」という機能が付いていないので、正しい色調整が困難なのだ。以前は、家庭用テレビの色調整をするための「映像診断テープ」というものが売られていたのでそれを利用すればよかった。この「映像診断テープ」というのは、そのビデオに記録された映像を表示しながら、指示に合わせて調整していけばいいというもの。現在は、もっと高度な調整ができるAVファン向けのチェックDVDといったものがある。もし、販売しているのを見かけたら購入してみてもいいだろう。

筆者が普段使用している業務用モニター(ソニー・PVM-14M4J)で、SMPTEカラーバーを表示した状態
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ブルーオンリーにすると、赤と緑の信号がカットされて青信号のみが表示される
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業務用モニターでは、瞬時に調整できるように調整つまみが前面に露出している。(メニューとしての設定も可能)
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■チェックDVD「HiVi CAST」(直販価格:6500円)

ステレオサウンド社から出ている「HiVi CAST」は、テレビの画質調整だけではなく5.1chスピーカーの位置といったオーディオの調整も可能となっている。より厳密な調整をしたいなら、こういった製品を利用するのも良い。

NEXT DVDプレーヤーを使ってできる簡易的な画質調整方法を紹介!