ピタゴリオのレストランには猫がいるんですど……

 港に戻るとホッとしたのか、おなかが空いてきた。明るいがもう夕刻。夕ご飯を食べることにしよう。シーフードの看板を見つけて、店に入ってみる。と言っても、ギリシャ式にオープンカフェだ。

猫が、客のふるまいを期待して、テーブルの下をはいかいするが、客は礼儀正しく、エサをあげたりはしない。猫はニャーニャー鳴きながら8の字を描くように練り歩く “サナガキ”という、チーズフライ。こんがりトローリの食感が最高。レモンをかけていただく

ギリシャ名物“ムサカ”。なすやじゃがいものグラタンなのだが、チーズが中にも仕込んであり、層になっていて非常に美味。子どもも喜ぶ味 “マリデス”は小魚のフライ。いわしの素揚げなのだが、少々硬く、さっくりというよりガリガリとういう感じ。猫ちゃんに分けてあげたかったが、誰もあげてないので、ガマン


おもわず涙、レスボス島に向かう高速艇で芽生えた友情

 翌朝はピタゴリオ港8時出航の船でレスボス島へ行くことにした。レスボス島と言えば、紀元前6世紀後半に活躍した女性詩人サッフォーの出身地として有名だ。サッフォーは同性愛についての詩を書いたため、「レズビアン(レスボス風の)」という言葉が生まれたという。うふふ、美人に見初められたらどうしよう(笑)。また、ギリシャ神話の竪琴の名手・オルフェイスが亡くなった後、竪琴がこの島に流れ着いたという伝説も残っている。

 早速、朝6時半、船着き場へ向かう。ピタゴリオはトルコへ向かう船の波止場だが、レスボス島へ向かう船は、サモスタウンから出るため、タクシーで向かう。今日は普通の船の2倍の速さで進む高速艇に乗る予定なので、ワクワクしていた。

サモスタウンの港。ピタゴリオと違い、数店のカフェ以外、何も店がない。素朴な港町

これが高速艇フライングドルフィン。普通の船は甲板でコーヒーを飲みながら行くこともできるが、この船にはカフェはない。ちょっと不安がよぎる。904SHで撮影 フライングドルフィン船内の様子。エーゲ海の人々は、まるで地下鉄に乗るように、交通手段として船を使う。ギリシャの船航技術は古代より優れており、今もそれは継承されている。実際、船での移動は非常に快適だ

一番前の席を陣取ってしまった。前は揺れるよと、船員にアドバイスもらったのだけど、息子が言うことをききません。せっかくなので、ケータイたちと記念撮影 わらわらと乗り込んできた小学生。「遠足でパトモス島へ行くの」という。あれ、パトモス島を経由するのかな?方向が違うけどなぁ。子ども相手のため英語が通じず、ギリシャ語で四苦八苦。しかも船は大揺れ!縦波横波スピード感は、まさにジェットコースター。904SHで撮影

いたずら小僧大集合。i-Zone(小型ポラロイドカメラ)でプリクラ写真をプレゼントすると、続々「ぼくもぼくも」と寄ってきた。女の子はお行儀がよいらしく、来ない。というか、揺れるので動けないんだと思う 子どもってどうしてすぐ、友達になっちゃうんだろう。兄弟のように、息子の面倒を見てくれた小学生のお兄ちゃん。おかげで大揺れの中、息子は船酔いしなかった

 パトモス島へ到着すると、小学生たちが下船した。息子は大泣き! それをみた小学生も泣き出す始末。たったの1時間で男の友情が芽生えたのか? 熱いなぁ……。パトモス島とは、キリスト教の聖人ヨハネが、天啓を受け聖書の黙示録を書いたとされた島である。降りてみたかったが、着いて5分で出航だった。

パトモス島を遠くから撮影。聖ヨハネ修道院、天啓を受けた洞窟などが主な見所


「レスボス島」じゃない!? じゃあ、ここはどこ?

 そこから約1時間。泣きつかれた息子が大揺れの中まだ熟睡しているうちに、目的地に到着。この島で船を乗り継ぎ、コス島へ向かうのが今日の予定だが、コス島へ向かう船が出港するのは、14時半。今はまだ朝の10時だ。さっそく島を散策することにする。

 しかし、事前に調べておいたレスボス島の特徴と、この島はどうも違う。あれれ、地図が正確じゃないのかな? 私はやっと気がついた。ここはレスボス島じゃないのだ。ここは、レロス島という場所だった!えーっ、私、船を間違えちゃったの?

レロス島は、ガイドブックでも省略されるような小さな島だが、海は青く、家は白く、非常に美しい この看板を見てやっと気が付いた。しかし、チケットをよく見ると、ちゃんと“Leros”と書いてあった。私のドジ。とりあえず今夜の宿があるコス島へは、この島から乗り継げるのを確認。ふー、危ない危ない

しかし、レロス島は、下調べをしていない。ガイドブックにも解説が載ってない。旅行代理店の受付のおばちゃんに観光名所を聞くと「裏の教会でも行けば?」 徒歩30秒の裏の教会。戸が閉まってるよ。おいおい、14時半まで何しよう~

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