シェムリアップのケータイ事情を探る

 市場を離れ、ガイドさんに街の電気街へ案内してもらった。バイク店には見慣れた日本製のバイクが並んでいる。この街でタクシーと言えば、バイクタクシー。だが、一日運転手付きの車をチャーターしても、30ドル。命が惜しかったらそうした方がいいと私は思う。バイタクの運転が下手というわけではないが、道路がとにかく悪いのだ。雨が降ったらケータイたちが濡れるのを防ぎようがないしね。

電気街にあるバイク屋。SUZUKIの看板が見える。HONDAも多かった 1階が店、2階は住居になっている。こういった住まいが多い

 電気街に到着。電気街と言っても、電気製品の店が2軒並んでいるだけだ。シャンデリアから扇風機、テレビにビデオ。日本製も多い。店の前に女性がたむろしていたので「何をしているの?」と訪ねたら、バスを待っているとのこと。バスがいつ来るのかは彼女達も分からない。子供をあやしながらのんびりと待っている。道の向こう側に移動式屋台のおもちゃ屋さんも登場。息子に何か買わせようと一生懸命アピールしてきた。

電気店。いろんなものが雑多に置いてある テレビも急速に普及している。テレビゲームやカラオケセットは高級品

日本製の炊飯器は大変人気があり、主婦のあこがれ 扇風機は必需品。クーラーはまだ、一部の人のものだ

2軒の店が並ぶ電気「街」。ほとんどの人は扇風機を買い求めに来ていた バスを待つ人たち。バス停なんてものはない。みんなおしゃれしてる!

屋台のおもちゃ屋さん。外国人には値段をふっかけてくる。ケータイ電話のおもちゃもあるよ 黄金の招き猫はベトナムやカンボジアでポピュラーな品。「千両」と書いてあるけど、日本製?


“高級品”のケータイが飛ぶように売れる不思議

 シェムリアップで一番大きなケータイショップへやってきた。みんなピカピカのバイクで乗り付けてくる。200ドルもあれば一カ月暮せるこの街で、ケータイはかなりの高級品。だけど、保有率は高い気がする。この街の人は観光業を営む人が多く、そういった職業の人には必需品なのだと言う。若いガイドの女の子・シネッツさんも持っていた。さっそく潜入してみる!

 物価が安いカンボジアだが、ケータイは決して安くない。むしろ日本より高い。通話料も高額なので、ガイドさん曰くワンギリ(これは無料)で合図する文化があるようだ。これはトルコでも同様だったが、下手に私のケータイ番号を教えたりすると、悪気なくワンギリを乱発されるので(ワンギリ無料じゃないのよ、国際ローミングしてるケータイは……)気をつけないとダメだ。

 まぁそんな“高級品”であるケータイが、見ているだけでも飛ぶように売れていく。ベトナム同様、急速に普及していくのは間違いない。しかし、あの物売りの子供たちがケータイを手にする日はくるのだろうか。物売りをし、月に5ドル自分で稼げば学校へ行ける……(小学生の学費は月額5ドル)。ケータイを手にする日を夢見てそれを原動力に、この国の子たちは勉学に励むのだろうか。なんだかせつなくなる。

シェムリアップのケータイショップ。買う気がないのに入っていいのかな……(珍しく弱気) ケータイを購入している人たち。若い人が目立つ。NOKIAが人気?

店内の様子 ショーウィンドウに貼りつくように(不審がられたと思う)のぞき込んでいたら……

店員登場。人気の機種を聞くと「コレだな」と二つ見せてくれた

あっ、「Sony Ericsson W600i」! 初代“ウォークマンケータイ”だ!325.7ドルなり これは「Sony Ericsson W800i」。460.8ドルあったらこの国では3カ月暮せるはず。しかし何でもあるなぁ


シェムリアップの街の生活

 近くに運転手のマオーさんの親戚の家があるというので、ちょっとお宅拝見させてもらうことにした。一階は元店舗といった風情で、二階に住居がある。この家のおばさんが笑顔で出迎えてくれた。手前のハンモックでお昼寝しているのがおじさん。テレビや冷蔵庫、洗濯機など、電化製品はすべてそろっている。マオーさんは立派な車を持っているくらいだし、ここは街の真ん中だし、この一族はきっとお金持ちなんだと思う。

運転手のマオーさんの親戚の家 祭壇がある。仏教徒?どちらにしても私より信心深いのは間違いない

 ここは観光地だが、カンボジアの首都プノンペンからは離れている田舎。貧富の差があると思うが、物売りの子たちと街の人たちの生活の差は大きい。大金持ちには出会わなかったけれど、家にテレビがあり、水洗トイレを使う、日本とそんなに変わらない生活をしている人はたくさんいるのだ。

 つい写真では物売りの子たちばかりを写してしまい誤解を与えかねないが、ここの生活はそんなに悪くない。クメール料理は確かに独特だが、街の人たちは日本と同様、ランチには、スパゲティやハンバーグ、サンドウィッチなどを食べている。フランスの植民地だった影響か、フランスパンは絶品だ。肉も魚も素材がいいから焼いただけでおいしい。

公衆電話。だが今はケータイが主流とのこと。日本と同じだね カレーム(アイスクリーム)屋台

チキンサンドウィッチ。フランスパンはカリカリ焼きたてで、チキンはジューシー 野菜サンド3ドル、チキンサンド3.5ドル。飲み物はみんな1ドル。でもこの店は観光客向けで高いのだそうだ。後でガイドさん御用達の店で食べたら、でっかいピザも、ハンバーグもみんな1ドル。しかもおいしい! 屋台は夜しか開いてないので断念

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