食事の後は、残酷な傷跡を今に残すクチトンネルへ!

 お腹もいっぱいになったところで、クチトンネルへ向かう。食べたばかりだというのに、車の後部座席は常にジャンプジャンプジャンプの連続。4WD車でなかったら、お尻にあざができていただろう。ありがとう、チュンさん。道路に石があるわけではなさそうだが、道そのものが深い轍(わだち)のようにデコボコしているようだ。ハンドバックからケータイが飛び跳ねないように押さえつつ、そんな状況でもグーグー寝ている息子に膝枕しつつ、2時間のジェットコースターのようなドライブに耐えた。

 クチトンネルに到着。でもCu Chi(クチ)と書かれた看板は見当たらない。入館料を払って中に入ると英語のビデオが流れている。ベトナム戦争当時、難攻不落と呼ばれたべトコンの本拠地クチは、250kmに及ぶ地下トンネルで有名だ。一見なんにもない竹林のように見えるが、そこここに空気孔があり、落とし穴や隠れ穴が存在した。むろん、地雷もあっただろう。コース外には出ないようにとの説明がある。

クチトンネル入り口はこんなあずま屋だ この看板が目印


気を付けろ!ケータイを隠せ!……と私のカンが警報を鳴らす

 グループに一人、ベトナム兵がガイドとして付くのだが、この人が怖い。モタモタしてるとにらむし、カメラならともかくケータイをいじってたりすると「何をしてるんだ貴様!」みたいな顔でのぞき込む。しかも、本物(?)の鉄砲で的当てしないかと言われて断ると、すごくいやな顔をして「簡単なのにホラ」と銃を振り回す、コワイ……。ケータイ出していろいろしたかったけど、ヘタレな私。普通に見学して帰ってきちゃいました(ゴメンナサイ。でも私の野生のカンが、ケータイを隠せ!とささやくんです。それにホラ、やはり圏外だったので)。

縦穴の隠れ場所。どこが入り口かわかりますか? 突然こんなところがパカッと開いて

兵隊さんが中に入っちゃいました! 皆大柄で太っていた米兵たち。たとえ穴の存在を知っても入れないような設計なのだそうです(私も入れません)

トンネル用通気孔。気がつきませんよね 落ち葉を貼り付けた落とし穴。間違って足を乗せればこんな風に……

ローリング式のわな。足を踏み入れたらただではすまないでしょうね 反動で敵を突き刺すワナ。真面目に聞かないと説明するベトナム兵が不機嫌になるので必死で聞く

 ベトナムは今もちろん平和なのだけれど、20世紀にこんな戦争があり、こんなに残虐な一面があったという事実を突きつけられるクチトンネル。商魂たくましいベトナム兵などを見るにつけ、これから向かうカンボジアのことを思ったり(カンボジアはべトコンに侵略された過去を持つ)、いろいろ考えさせられる場所だ。

マネキンのべトコンたち。結構楽しそうです トンネル内展示。爆弾をこともなげに作るべトコンのマネキン

ウキウキ楽しそうに火薬を詰めるべトコンマネキン 打ち捨てられたべトコンの戦車

体験用トンネル入り口。明かりひとつありません 閉所恐怖症の人は行かないほうがいいです。屈んで進みますが太っていたらお腹も引っ込めないときついです。しかも暑いです

トンネル内にあった会議室?を復元した地下の部屋 こんな笹薮の下に、巨大なトンネルがあるとは気づきませんよね。米軍の攻撃にも、クチトンネルは最後まで陥落しなかったそうです

売店もあります。日本語の解説本もありました

休憩所にて。迫力のある私達のベトナム兵ガイド。ケータイと記念撮影しようとしたら「ぬぁにぃ~!オレの話をきけ~」という顔をされ、阻まれたので、腹いせに隠し撮り。ベトナム兵は皆、車のタイヤを加工した手作りサンダルを履いていました(これもお土産用に販売してた) 無料でサービスしているゆでたキャッサバ(芋)と熱いジャスミンティ。キャッサバには岩塩のような味わい深い塩をつけて食べます。トンネル探訪で疲れきった身体に旨い。衛生的なことはさておいて、お腹は大丈夫だったよ

 ホー・チ・ミン近郊をドライブして巡る旅。チュンさんのおかげで満喫させてもらった。大満足だ。クチからジャンピングドライブをすること1時間半で、ホテルに到着。しかし、まだ日本からの土産と私の着替えが詰まったスーツケースは届いていなかった……。いいさ、服はなくともケータイがある。私の旅にはケータイがあればそれで十分なのだ。そうさ、そうなのさ!……とはいえ、やはりカンボジアへ行く前に荷物が戻らないと困る。無事に届くのだろうか。ホント、ケータイやらノートパソコンやらをシンガポールで取り出しておいて良かった!(いや、良くはないけど、不幸中の幸いではある……)

 次回はチュンさんに紹介してもらった日本語学科の学生へのインタビューをお届けする。ベトナムのケータイ事情を根掘り葉掘り聞いてみたので、ご期待ください。

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