Track-2 1本6万円のiPod用ケーブルまで登場! iPodシリーズでも音に違いあり(1/2)

iPod(4G) VS iPod nano VS iPod shuffle


 「あのー、iPod shuffleをつなぎたいんですけどぉ」と言った途端、H氏の顔に簾(すだれ)がかかったのが見えた。額にも大きく「No!」と書いてある気がした。

 マークレビンソンNo.390SLにぶつける対戦相手は、カラー液晶搭載の第4世代iPod(20GB)と予め決めていた。先日、ビデオ対応の第5世代iPod(詳しくはこちら)が発表され、既に旧型になってしまったのは残念なところだが、新型についてはいずれテストするチャンスもあるだろう。とりあえず手持ちの現行機種について、我々は全部チェックするつもりで御徒町にやってきた。

本命の第4世代iPod以外にも、他社製を含め複数の携帯音楽プレーヤーを用意した。もう少し早く言ってくれれば、試聴テストを先送りにしたのだが……

「iPod Shuffle」は善戦、「iPod nano」は不調!

 iPodシリーズに詳しい方ならご存知のように、「iPod shuffle」はシリーズの中でも異質の存在である。他のiPodシリーズとはメインチップのメーカーが違い、Apple LosslessやAIFFのようなApple独自フォーマットが再生できないのだ。何より今回のように外部機器と接続する場合、ラインレベルの出力を取る方法がないのが一番困る。

 そのため、止むを得ずヘッドホン端子の信号を、マークレビンソンのプリアンプに接続することにした。これは実におそれ多いことだ。ヘッドホンアンプ経由のオーディオ信号は、一旦増幅がかかっているために、ライン信号に比べてピュアとは言えない。ゲインの調整くらいはプリアンプ側でできるものの、音質的に期待できる所は何もない。そもそもiPodをピュアオーディオの象徴的存在であるマークレビンソンに接続すること自体が背徳的行為なのだ。

 悪ふざけにも程があるぞコラ!

 と、このシステムのオーナーが私ならば怒るだろう。その昔、近所のオーディオマニアのお兄さんに「これかけてよー」と、ウルトラマンのテーマのドーナツ盤を持っていったら「スピーカーが腐る」と突っ返された記憶がある。おそらくH氏も心の中ではそんな心境だったに違いない。

 ところがだ。これが意外といけちゃったのだ。

 この試聴室に入っていきなり「いまCDプレーヤーで音出してます」と言われたら、なるほどと唸ってしまいそうなくらい、ごく普通に鳴っていた。詳しい比較は後回しにするとして、当初、我々が想定した大差の負けという事態はなくなったようだ。何しろiPodシリーズでもローエンドの、わずか1万980円の“バブルガムプレーヤー”が立派に働いているのだから。なおオーディオファイルのフォーマットにはWAVを使った。iPodシリーズのすべてで共通して再生できる、最も高音質なフォーマットだからである。

 ならばということで、同じメモリータイプの「iPod nano」をつないでみた。こちらはDockコネクター経由でライン出力が取り出せるのため、iPod shuffleより、さらに音がいいはずである。ところがだ。

 やや高域が落ちていて、どうにも音像が霞んですっきりしない。ヘッドホン端子につないでみたところ、高域の落ち込みは多少緩和されたので、Dockコネクターの接触不良の疑いもある。しかしながらヘッドホン端子の出力はやや歪を伴っていて、マークレビンソンと戦うには力不足と判断。iPod nano、よもやの予選落ちである。

圧倒的にソースを選んでしまう高級オーディオ

 他社製のプレーヤーも、参考までにということで試してみた。とりあえずiPodのライバル、ソニーのネットワークウォークマン「NW-HD5」のみ報告しておこう。このモデルはWAVの再生ができないので、MP3(320kbps)で第4世代iPodと比較した。結果は同じMP3ファイルでもiPodの方が高域まで伸びていて、ダイナミックレンジにも余裕があった。NW-HD5のみ、ATRAC3plus(256kbps)に変えて試してみたが、印象は変わらなかった。新型の「ウォークマン A」シリーズに期待しよう。

 ただ、非圧縮(※7)か可逆圧縮(※8)ファイルに対応しないプレーヤーは、ハイエンドシステムには厳しい。非可逆圧縮(※9)がかかってしまうと、ビットレートを問わず、高域が消え、歪が耳に付き、音場までもがしぼんでしまう。たとえMP3の320kbpsでもだ。イヤホンや小型スピーカーでは聴き分けられなくても、JBL&Mark Levinson艦隊が相手では、大げさに言えばFMラジオとCD程度の差が付いてしまうのだ。

 というわけでマークレビンソンと戦う相手は、第4世代iPodとiPod shuffleに決定した。さあ、いよいよ決戦だ!と、思ったが、肝心のアレを忘れていた。今時のハイエンドオーディオに必須の、ものすごく高いアレだ。

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