ケータイ抱えて“巨大地下洞くつ都市”へ!
デジカメ故障、「902SH」の202万画素カメラに救われる

 アンタリアの素晴らしい休日を名残惜しく思いながら、再びカイセリへ向けて10時間のドライブへ出発。日本ならドライブインで休みながら、というのが普通だと思うが、ここはトルコ、途中ドライブインらしき建物は一つしか見かけなかった。アンタリアと内陸を遮るようにしてそびえる山脈を越え、ドライブインでちょっとトイレ休憩したら、あとはカッパドキア地方までノンストップ。かなりハードな旅程だった。

山越えを控えた道路。珍しく雲も出ていた


巨大地下都市を撮影…えっ、デジカメ故障!?

 途中、前回行きそびれたカッパドキアの南部「デリンクユ」へ。ここは地下に巨大な“洞くつ都市”が広がっていることで有名だ。車を止め、地下都市への入り口へ向かう。

 地下にもぐる前に記念写真でも撮ろうかとデジカメを取り出してみると、何とズームレンズが出っぱなしになっている。電池切れ? あれっ、あれっ、電源も入らない。今から地下洞くつという難しい被写体に立ち向かおうというのに、デジカメが故障しちゃったら、日本にいるみなさんにどうやってこの感動を伝えればいいのだ……。

 途方にくれていると、友人が「インスタントカメラじゃだめ?」とぽつり。確かに銀塩カメラなら後でスキャンすれば使えるかもしれない。さっそくデリンクユ入り口にある売店へ。

 おお、あるじゃない。ちゃんとフラッシュ付きもある。地下洞くつだからフラッシュが付いていないと使い物にならないもんね。私はコダックの使い捨てじゃないインスタントカメラを購入。値段は24YTL(約2000円)!。高めだが背に腹は変えられぬ。

 さあ、ここで恒例の売店のおじさんに突撃インタビュー!「おじさん、この携帯電話、どう思いますか? 日本の最新の機種なんですよ」売店のおじさんは私のぶしつけな質問にびびりながら、「カメラ付き? ムービーも撮れるの? いいなぁ、これも携帯電話なの?」とNTTドコモ「M1000」をいじりまくる。やはりここでも電波状況は良好だったので、メールもネットも試していた。操作はすぐ分かったようで、しきりに感心していた。さすがカメラ屋(って駄菓子も売ってる売店だけど)のおじさんだ。早速、買ったばかりのインスタントカメラでパチリ。

売店のおじさん。ボーダフォン「902SH」を耳にあてつつも視線はNTTドコモ「M1000」にくぎ付け。ちなみに画面下方の「CAPPADOKIA」と書かれたパンフレットは英語版、「KAPPADOKIA]と書いてあるのはトルコ語版だ


地下8階の巨大洞くつに1万人が住んでいた

 今やデジカメにすっかり馴染んでしまった身。液晶画面で撮影した画像を確認できない銀塩カメラは、「本当に撮れているのかなぁ」と不安になる。それでも撮らないよりマシだ。それならケータイのカメラでも一応撮っておこうかな。手持ちのケータイで一番画質がいいのはボーダフォン「902SH」。202万画素だが、フラッシュがないので難しいとは思うが……。とにかく902SHを片手に、インスタントカメラをもう片方の手に持ち、暗い洞くつ内へと入っていった。

 このデリンクユという地下洞くつは、その昔、敵に追いかけられた異教徒たち(つまりキリスト教徒)が、身を守るために掘ったもので、最大1万人もの人々がここに住んでいたという。元々は石器時代から使われていたようだが、どんどん掘り進めて今では(ナント!)地下8階からなり、深さ85mもある井戸(デリンクユとは深い井戸の意味)、ワイン醸造所、教会、羊小屋、食料貯蔵庫など様々な施設がある。実際、どの程度の広さがあるのかは、まだ解明されてないほどだ。

暗く奥へ奥へとつながる地下都市。まるで迷路だ。902SHでは意外と明るく撮れたが、実際はかなり暗い

 途中、敵に攻撃されたとき、逃げ込めるように、大きな円盤状の扉が設置されている。いざというときは、内部から中央の穴に棒を差し込み、転がすようにこの扉を閉め、敵を内部に入れないようにしたらしい。この扉は、現地の石とは違い、外部からわざわざ持ち込んだもので、硬く丈夫。簡単には壊せない。

これがいきなり閉じてしまったら、もう出られない暗黒の世界だ(902SHで撮影)

 実はこの地下洞くつ、お風呂はあるのにトイレが見つかっていなかったり、厨房が少なかったり、謎の多い場所である。一応、M1000や902SHの電波状況を確認してみたが、さすがに電波は地下までは届いていなかった。

 それにしても、902SHのカメラ画質、なかなかいいのでは?真っ暗でぜったいフラッシュなしじゃ無理!と思ったのに、結構きれいに撮れている。持っててよかった902SH。感謝!

現地購入のインスタントカメラで撮影。今は観光客向けに電気が通っているが、昔は壁のくぼみにろうそくをともしただけの、真っ暗な場所。本当に1万人もここに住んでいたのだろうか…… デリンクユ出口で買った人形。ここで買うのが一番安くてかわいい(5YTL・約420円)


「ウフララ渓谷」は隠れキリシタンが潜む谷

 デリンクユから車で15分、「ウフララ渓谷」にも寄り道してきた。このへんぴな場所に、たくさんのキリスト教徒が隠れながら信仰を続けたのだという。まるで米国のグランドキャニオンのような広大な場所だ。渓谷の壁画は、今も色鮮やかに残っている。この谷を抜け、カイセリに戻る直前、なぜか急にデジカメの電源が入った。どうして戻った途端に直るのよ? 洞くつのキリストの影響なのかどうかは、いまだにわからない。

ウフララ渓谷の入り口。日本人観光客も多く訪れる(902SHで撮影) 洞くつに描かれた、死んでしまった人に手をあて、生き返らせたというキリストの肖像(902SHで撮影)

ここにある洞くつには、虫や蛇などが入ってこないという。神がかりというわけではなく、特別な岩なのだそうだ(902SHで撮影) 渓谷を上から望む。残念ながら電波は届かない

洞くつ内の壁画は、偶像崇拝を嫌うイスラム教徒らによって、目など一部を削り取られているが、心ある現地の人の手で今も大事に保管されている

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